風速100m(メートル)とはどのくらいの強さ
風速100m(メートル)とはどのくらいの強さかといえば、スーパー台風と呼ばれる物が該当します。
この風速とは、大気(空気)が移動する速さのことをいいます。
秒速(1毎秒間に何m移動したか)で表すことが出来ます。
風速をどのくらいで表すかというと、例えば10mであれば1秒間に10m移動したという事になります。
つまり10秒あれば、100m(メートル)移動できる計算です。
また最大瞬間風速と平均風速の比のことを「突風率」といいます。
これは、突風による防災の指標となっています。
この突風率は、1.5~2倍程度が一般的とされています。
過去に日本を直撃した大型の台風といえば、1959年に発生した伊勢湾台風が知られています。
このときの台風は最大風速が毎秒75m(メートル)でした。
この台風で亡くなったり行方不明者となる方が全国でおよそ5000名を超える結果となりました。
もしもスーパー台風と呼ばれる風速100m(メートル)ともなる最大級の台風が日本を襲った場合はどうでしょう。
これは、日本ではまだ経験したことがない想像に難しい脅威の数字です。
その被害は、常識の範囲の想像を遥かに超え、想定外の状況となりえます。
台風の規模には最大風速のほかに強風域の範囲を示す区分が存在しています。
毎秒15m以上の地域が半径500kmを超える台風を大型の台風としています。
半径800km以上のものを超大型の台風と呼んでいます。
最近では日本ではこのクラスの災害は起こっていません。
しかし、2076年までに今までにない超大型の台風が上陸する恐れがあると想定されています。
風速100mを超える巨大な台風に襲われれば、亡くなる方の数は約8000人にも膨れ上がると言われています。
もしこれほどの風速を伴う台風が日本に襲来すれば史上最悪となるでしょう。
また降ってくる破片や四方八方に飛び散ったガラスなどで沢山の負傷者を出すことになります。
最悪の場合、家を失う人が増え路頭に迷うケースも高くなります。
このような脅威に備えて避難路の把握や防災意識を高めることは非常に重要です。
風速100m(メートル)の強さで予想される被害の目安
風速100mの強さの被害の目安を知るには過去に起こった例を元にするのが懸命です。
平成25年の11月にフィリピンのハイヤンで発生した台風では、観測史上最強と言われた台風30号が上陸しました。
米海軍合同台風警報センターの測定によると最大風速は87.5mとのことです。
このとき、最大瞬間風速はなんと脅威の105mを記録しました。
風力だけで見ると台風30号の強さは観測史上4番目の強さとなります。
なお、上陸したものとしては史上最強クラスと言われています。
日本では毎秒100m(メートル)を超える風の観測は、まだされてはいません。
もしも日本にこのような最大級の台風が上陸した場合の被害は甚大でしょう。
予想される被害の規模やその目安は大変厳しいものと予想されます。
被害状況は風速によって異なります。
・風速10mでは樹木が激しく揺れ、電線などが大きく揺れる。
・また雨傘が壊されるなどの被害が予想されます。
・風速20mでは、大人の身体でも60度くらいに傾けていないと立っていられないほどになります。
・前かがみになり何かにしがみ付かなければ、風に押されて倒されてしまう危険性が高まります。
・この風速でも子供の場合は飛ばされそうになります。
・風速25mを超えてくると人が立っていることが難しくなるほどの脅威になります。
・人が真っすぐに立っていられる風の強さは、せいぜい10m前後までとされています。
・風速30mになると雨戸や屋根が飛ばされ、古くなってしまった家屋などは倒壊する恐れがあります。
・また電柱が倒れるケースも出てきます。
・風速35mを超えれば、人は地面に足をつけていることが難しくなり宙に浮いてしまうこともありえます。
・風速50mになるとたいていの木造家屋は倒壊し樹木は根こそぎ刈りとられてしまいます。
・風速60mにもなると、家屋は倒壊する危険性が非常に高くなり鉄骨構造物では変形するものも出てきます。
・ソーラーパネルなどがいとも簡単に空に飛ばされます。
・また、鉄塔なども大きく曲がってしまうほどの威力になってきます。
・風速70mを超えてしまうと電柱が倒されて住宅は倒壊する恐れがあります。
・負傷者も大量に出るばかりか、最悪のケースも想定しておかなければいけません。
ここまでの風速でもかなりの被害があります。
仮に日本に風速100M級の台風が起きた場合、その被害は想像もできない世界といえます。
なぜなら100mの風速は、時速に換算すると378キロメートルにあたります。
これは、あの新幹線よりも早いことになります。
また、風速100m以外にも甚大な被害が予想される風についても下のページで解説しています。
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もしもこのクラスの台風や竜巻が起これば、住家のほとんどがバラバラになることも想定されます。
災害に弱い住宅や古くなった家屋は跡形なく吹き飛ばされてしまう威力でしょう。
それが、あらゆる場所に飛散していきます。
さらに鉄骨づくりで丈夫といわれている構造物でも見るも無残な状態になる恐れがあります。
列車のほとんどが簡単に吹き飛ばされる可能性もあります。
自動車が何十メートルも空中飛行する結果になるほどの威力です。
1トン以上もある物体が頭上に降ってくれば、人には危険この上ないことです。
復旧の目途がまったくつかない状態が長く続く事も考えられます。
なお、強風による火事が引き起こされるケースも出てくるでしょう。
家屋や電柱の倒壊や停電によるパニック、農作物にも影響が出てきます。
インフラが遮断され日本中は大混乱に陥ります。
被災者の数も今までに聞いたことのない数に膨れ上がることが想像できます。
風速100m(メートル)の強さでの対策
日本で仮に風速100m(メートル)級の台風が起きた場合、その対策はとても重要になってきます。
ある政治家は、今後の日本で最大級の台風が上陸したケースに備え、「電線の地中化」を進めることを提唱しました。
その理由に、日本で起こった台風15号の発生で千葉県だけで電柱が2千本も倒れたと言う現実があるからです。
この電柱は風速40mのつよさに耐えることが出来る設計でした。
それにも関わらず、耐用年数が経過していることによる崩壊が起きています。
また、最大風速が約50m以上ある台風に遭遇したため耐えることが出来なかったという経験からきています。
このような経緯から今後100Mの台風が日本に上陸した場合、単なる復旧作業だけでは効果がないです。
この政治家は、「もう一度やられてしまうだけだ」と警鐘を鳴らしています。
そもそもなぜ日本では電線の地中化がまったく進んでいないのでしょうか?
それには様々な理由があります。
日常風景の中にいくつも電柱を見ることが出来る、そんな状況は日本ならではの光景です。
なぜなら他の先進国では、電柱の間に架空線(空中に張り渡した電線のこと)を通すことは少ないです。
地中に電線を埋めてしまうという方法が主流となっているからです。
諸外国と比べると、先進国の中でも一番遅れているといえるのが日本です。
オリンピックなどの国際的な祭典が控えていることなどもあります。
ここにきて「無電柱化」や「電線地中化」を目指す動きがやっと出てきています。
しかし、日本に数多く存在している電柱を無くすことに対しては実現が難しい等の否定的な声も数多く上がりました。
電線の地中化の実現については一筋縄ではいかない難しい問題となっています。
そんなややこしい日本の電柱事情を分かりやすく解説していきます。
なぜ電柱が一番問題とされているかというと一つには景観の悪化があります。
電柱や電線がむき出しになっていると景観が損なわれて風情がなくなるという問題です。
そして何と言っても災害時に起こりやすい倒壊のリスクのです。
災害が多いとされる日本では、毎年地震や台風などの災害にさらされています。
これが交通の妨げになるなど二次被害を引き起こしやすいというデメリットが強くなります。
1995年に起きた阪神淡路大震災では、倒れた電柱や電線が道路を塞いでしまいました。
このとき消防車や救急車の通行を妨げまうという問題も発生しました。
火事の鎮火や救護活動、また物資の輸送が大幅に遅れてしまい大問題となっています。
多くの問題が発生しやすい電柱ですが、なぜ無電柱化がなかなか進まないのでしょう。
そこには日本の電柱の歴史が大きく関わっているからです。
日本でも実は、電線地中化の流れは戦前からありました。
そして、東京都文京区などで地中化の整備が進められていました。
しかし、太平洋戦争時での米軍による空襲の被害で都市部は壊滅状態となり設備は崩壊しました。
戦後の復旧を速やかに行うために政府が一時的に進めたのが電柱をいくつも立てるという作業でした。
電線を地中に埋設する作業は、費用が高額になります。
その後日本は高度経済成長期に突入していきます。
電気の需要が大幅に拡大したことで電柱の需要もさらに増していきました。
地中に埋めるどころか更に増加させるしか手段がなかったといえます。
阪神淡路大震災で起こったデータによると震度7クラスの地域で被害を受けた地中線は約4.7%です。
一方の架空線はそのおよそ2倍にもあたる10%が被害を受けたといいます。
このように大きなダメージを受けやすくなります。
こう見ると架空線よりも地中線の方が安全に感じやすいです。
しかし、復旧がしやすいのは圧倒的に架空線のほうです。
地上にある電線は断線した場所の特定が速やかに行われます。
地中線は断線個所の見分けが難しく掘り返しての作業が必要なため復旧が遅れてしまう原因になります。
電柱は無くすべきなのか、あるいは残すべきなのかはまだ議論の余地があるといえます。
もしも日本に最大の台風が上陸したケースを考えると、こうした公共施設などの改善は気になるところです。
風速100m(メートル)の強さで必要な物
風速100m(メートル)の強さで必要となる物は何か?
避難を想定するのとしないでも必要な物は大きく違います。
避難しないといった場合でも、風が吹いてくる前に余裕があればブルーシートで屋根や飛びそうな物を覆うと二次被害を防げます。
また、屋根が強風で壊れた後の補強にも使用できます。
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これは、事前に風の情報を知った上で、あくまでも風が来る前に行う対策です。
風の中での作業は、いつ強風になるかわからないのでおすすめできません。
避難する場合には、最低限必要となる日用品があります。
避難の際には、必要最低限の物をリュックなどに詰めるか、防災グッズを持って出ることです。
食料は、支給される可能性もあります。
ですが、風速100mの風ともなれば、防災グッズはやはり必要品となります。
また、水、タオル、下着に寝袋、軍手、懐中電灯、袋も数枚のしたくもおすすめします。
なお、被害状況により遅れたり届かないこともありえます。
届いても数に限りがあることも想定されます。
そのため、最低限の非常食も用意しておくべきです。
また、強風による停電も考えられるので家庭用電源に頼らない明かりの確保が求められます。
懐中電灯・飲料水や保存水や非常食・軍手・救急グッズ・ラジオなどは必需品となります。
また、雨合羽、長靴なども状況に合わせて必要となってきます。
移動時には、ヘルメットも風による落下物から頭を守るために必要となります。
避難所は主に体育館のような床の硬いところが多いです。
なので、家族が座れる程度の敷物もあると良いでしょう。
食料については、自宅にいる場合でも同じで用意しておくことをおすすめします。
他人や行政に頼り切るだけではなく、身の安全を確保する必要があります。
風速100m(メートル)とはどのくらいの強さ?|まとめ
風速100mとはどのくらいの強さがあるのは想像するのが難しいほどです。
日本は世界的に見ても災害が非常に起こりやすい国です。
地震や台風など命の危険がある災害に対し自分自身を守るためにはしっかりとした対策が必要です。
風速100m(メートル)の巨大な台風が日本を襲えば、どのくらいの威力があるんでしょう。
予想される被害の目安はどれだけのものか、よくお判りいただけたでしょうか。
また、その時の対策ついても把握しておくことが大事です。
いつどんな場所で災害発生による被害にあうかは誰にも予測することが出来ません。
日本は災害が非常に多い国として有名です。
これから先大規模な地震や台風が起こる危険性を訴えている学者も増えてきました。
災害が起きてから対策を考えるのでは遅いです。
日頃からしっかりと身の安全について考えておく必要があります。
家族の安全や自分自身の安全を守るために必要な物の把握は怠らないようにしなければなりません。
戸建て住宅にお住まいの方は、台風が来る前に屋根や外壁のチェックをすることです。
日頃から行えることはいくつも存在しています。
必要であれば、現在加入している保険を見直してみるなどもしてください。
非常時の備えを十分にしておくことが命の安全につながってきます。
完全に防ぐことが難しい自然災害、台風が去った後でも困らないような準備が一番重要です。
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