チャットワーク(ChatWork)実質有料化の変更内容
2018年7月17日からチャットワーク(ChatWork)が「実質有料化」されました。
「実質」というのは無料プランの変更内容が、ビジネス利用においては有償プランに変更せざるを得ないものだったからです。
行われた変更内容ですが、変更前は最大14個までのグループチャット参加が可能でした。
これが、変更後は累計14個までのグループチャット参加が可能と変わっています。
これにより現在参加してるグループチャットの数ではなく既に退出しているグループチャットもカウントされることになります。
つまり累計14個を超えた時点で新たなグループチャットに参加できなくなることになります。
新たなグループチャットに参加するためには有償プランに切り替える必要があるのです。
チャットワークは無料で利用できることから利用者を伸ばしてきていました。
チャットワーク無しにはビジネスが成立しないという人がいるほど短期間でビジネスに深く浸透しています。
チャットワークが浸透しきったところでの今回の改変は痛いですね。
チャットワークを継続して使わざるを得ない人にとって「実質有料化」であるというわけです。
ですが決して無料プランが無くなったわけでは無いです。
なので「実質有償化」というのは少し言い過ぎではないかという感じもします。
しかしフリーランスで複数のプロジェクトでチャットワークを利用してきたような方にとっては辛いところです。
梯子(はしご)を外されたという感覚があるのも理解できます。
また無料プランの変更のアナウンスから実施までの期間も1か月しかなかったことも挙げられます。
これも「実質有償化」という表現に影響していると考えます。
そのため、別のサービスへ完全に切り替えながらビジネスを進めるのは至難の業ですね。
とりあえず一旦有償プランに切り替えた上で対策を考えるしかないという状況になった方も多かったのではないでしょうか。
有償プランはミニマムなパーソナルプランでも月額400円かかります。
1か月間だけ月額料金を無料にするというキャンペーンが行われました。
これは、変更発表から制度変更日までの1か月の間に申し込まれた場合のみが対象です。
このため実質は移行期間の内に有償プランに切り替えるための経過措置でしかありません。
チャットワーク(ChatWork)実質有料化の理由
これは、チャットワーク(ChatWork)に限ったことではないです。
過去には、Evernote等のサービスでも同様の変更が行われています。
無料版でユーザーに利便性を売りに認知や集客を高めてから切り替える手法です。
このように有償サービスに切り替える手法のことを「フリーミアム戦略」と言います。
いきなり有償サービスで開始しても、使ったことがなければお金を払う価値があるかわかりません。
試用版などとけち臭いことを言わず「無料で開放するので好きなだけ使って利便性を大いに感じてください」とばかりに開放してしまうのが「フリーミアム戦略」というわけです。
ある程度サービスが浸透したうえで有償のサービスに切り替えるなら、「お金がかかるなら使わない」というユーザーも出てきます。
ですが、「お金を払ってでも使いたい」という利用者は残ってくれます。
Webサービスの「フリーミアム戦略」自体さほど珍しいものではないですね。
チャットワークもフリーミアム戦略で得た知名度と利用者が大きかったです。
そのため、実質有料化のような表現が使われることになりました。
ビジネスチャットそのものをトレンドに押し上げてきたという実績もあります。
またSlackと二大ツールと言われるまでになったことで有償化による利用者へのインパクトも大きくなっています。
チャットワーク(ChatWork)実質有料化は改悪と評判
チャットワーク無料を経験してきた利用者からは「改悪」と言われますね。
しかし「改悪」の他「しかたがない」とやや諦め気味の声もあります。
いきなり評判が全てのユーザーから改悪と言われるほど大きく下がっているわけでもなさそうです。
一部の利用者からは、これまで無償だったのがむしろおかしいくらいという意見もあるからです。
というくらいにチャットワークスの利便性が高かったことも良い評判も維持されている理由のようです。
そういうビジネスモデルだから仕方がないとなっているのには、理由があります。
そもそもチャットワークがコンシューマー(一般消費者)向けサービスではなく、ビジネスサービスであることが影響していると考えられます。
利用者もビジネスとして利用している方が多いのも事実です。
これがコンシューマー向けのサービスです。
例えばLINEが実質有料化などという話になればこの程度の反応では収まらないでしょうね。
チャットワークの場合、ビジネスモデルに対する理解を得やすいユーザーであったことが想定されます。
チャットワーク(ChatWork)実質有料化と無料プランとの違い
累計14個以上のグループチャットに参加するための「実質有料化」ではあります。
有償プランにはその他にも無料プランとの違いがあります。
有償プランのグレードはパーソナルプラン、ビジネスプラン、エンタープライズプランの3種類です。
パーソナルプランはストレージ容量が10GBまで使用できるようになります。
また1対1でしか行えなかったビデオ通話や音声通話をグループで行えます。
ビジネスプラン以上になると管理者が設定され、ユーザー管理を行うことができるようになります。
管理者はユーザーの追加や削除を行うことができます。
ユーザーがコンタクトを承認しなくてもトークに参加することができます。
企業であれば組織やプロジェクト単位でチームを作成してチーム単位のグループチャットで情報共有を図ることができます。
またビデオ通話、音声通話の参加人数が増え、モバイルからの参加も許可されます。
最上位のエンタープライズプランは、簡単に言うとセキュリティが強化され管理者で様々な制限をかけることができます。
社外ユーザーに制限をかけたり利用端末を制限したりチャットのログを出力することができます。
個人利用であれば無料プランで事足りるかもしれません。
しかし、企業におけるビジネス利用となるとエンタープライズプランによるセキュリティは必要です。
チャットワーク(ChatWork)はメールと同様のコミュニケーションツールです。
そのため情報漏えいやウイルス感染などのリスクに対して企業として対策を行わないわけにはいきません。
監視されていると考えると気分がいいものではないかもしれません。
ですが、安全を確保するためには必要な機能なのです。
企業で利用する場合は今回の変更が無くてもエンタープライズプランを推奨されるべきでしょう。
会社に無許可でファイル転送も可能なチャットツールを利用しているのであれば、それ自体が問題と言わざるを得ないかもしれません。
チャットワーク(ChatWork)実質有料化にどう対策する
既にチャットワーク(ChatWork)の「実質有料化」は開始されています。
もし¥無料プランの継続利用では新規グループチャットへの参加ができません。¥
それが業務上支障があるのであれば対策方法は2つあります。
1つは、諦めて有償プランに移行して月額利用料を払うことです。
チャットワークを使い続ける選択をするのであれば有償プランへの移行は避けられません。
月額400円を高いと考えるか、必要経費と考えるか費用対効果で考えると安いと考えるかは人それぞれでしょう。
もう1つは別のビジネスチャットへ移行することです。
ビジネスチャットの類のサービス自体は、チャットワークに限らず様々なサービスがあります。
無料で使えてある程度浸透しているものであれば、Skypeやハングアウトもチャットとしては利用できます。
また、ファイルの授受なども可能です。今までできていたことで、できなくなることも多々あります。
それは有償プランを選択しなかったのだから仕方ないということなんでしょうね。
無料でできることには限界があるものです。
むしろチャットワークの無料プランが特殊だったと思って諦めるしかありません。
中には無料でも同等もしくはそれ以上の機能を提供しているサービスもあります。
どうしてもチャットワークで使っていた機能が必要というのであれば、有償プランを契約することをおすすめします。
チャットワークにしかできないことをやりたいなら、そうすることが賢明ですね。
それができないのなら諦めざるを得ないというのが現状での対応です。
ちなみに「実質有料化」と言っても、「今から利用してみたい」という方は無料プランでも最初は問題ありません。
ただし、グループチャットへの参加が累計14個を超えます。
さらに別のグループチャットに参加が必要になった時点で有償プランへの切り替えの判断は必要です。
費用に見合う効果があるかどうか試用してみることは可能です。
また特定の相手やグループとしかやりとりをしない場合は有償プランでなくてもできます。
今後、別のグループチャットに参加する想定が無いという場合も無料プランのまま利用することはできます。
「実質有料化」という言葉が独り歩きしていますが、決して無料プランが無くなったわけではありません。
自身に影響が出るのか、今影響が無いけど今後発生する可能性はあるかをしっかり検討し対策しましょうね。
チャットワーク(ChatWork)とSlackの比較と併用方法
チャットワーク(ChatWork)から別サービスに乗り換えるという場合に選択肢として上がるものに前述にもあるSlack(スラック)があります。
この二つのサービスを比較してみました。
Slackも広く利用されているビジネスチャットツールで無料プランがあります。
チャットワークの無料プランと比較した場合、一番の違いは外部ユーザーとの接続可否です。
Slackのユーザー登録はメールアドレスを利用します。
ただし、同一のチームで管理できるのは同一のドメインのアドレスだけになります。
つまり会社のメールアドレスを使うとなると会社のメンバーしか参加できません。
外部の人を招待するためには有償プランの契約が必要になります。
逆に優れている点は無料プランでもログ管理などが行える点です。
チャットワークでは有償のビジネスプラン以上でないと行えません。
ですが、Slackは無償プランでもログ管理を行うことができます。
これらを加味した上で双方を併用して実質有償化を避けます。
でも厳密には先延ばしにすることができるパターンが存在します。
あくまで企業での利用を想定したパターンです。これは社内コミュニケーションをSlackにしてしまうという方法です。
社外コミュニケーションをチャットワークに集約するという併用方法をとるということです。
これでグループチャットの件数を減らせることができます。
コミュニケーションツールが分散することで情報が一元管理できずむしろ非効率になる可能性があります。
Slackの最大の強みである外部連携を使うことでチャットワークの通知を受け取ることができるようになるのです。
しかし結局これも先延ばしに他ならず、グループチャットの上限はいつか到達することになります。
また、外部連携機能は比較的専門的な知識を要します。
このためシステム関係に強い人でないとややハードルが高いということもネックになります。
チャットワークの強みの一つは、そうした専門的な知識が無くても利用できる容易さがあります。
日本の企業が開発した日本向けの仕様になっているのも特徴ですね。
そのため、直感的に操作を理解できるため新たなメンバーを加えた場合でも操作方法などを説明する必要がほとんどありません。
こうした利便性なども考慮した上で、有償プランの利用を検討するというのが最善の方法かもしれませんね。
チャットワーク実質有料化|まとめ
チャットワーク(ChatWork)は無料で利用できることが売りでした。
あの機能の多さにはビジネス上とても助けられていました。
累計が14個を超えてしまったら新たなグループチャットに参加できなくなってしまうのはキツイですね。
無料プランの変更のアナウンスから実施までの期間も1か月ということ。
これから忙しくなる師走の年末時期、有償プランに乗り換えていかなければビジネスに大きな影響が出る可能性もあり対策が必要になりますね。
でも無料プランが無くなったわけではないので特定のグループでの利用の場合です。
利用方法が限られる個人のような場合には影響が出ないこともあります。
評判については、「改悪」と言われながらも「しかたがない」という声もありました。
また「お金がかかるなら使わない」というユーザーもいました。
なお、Slackとの比較も、この二つの長所や短所があるので一概にどちらが良いとは言えませんでした。
私は今のところチャットワークオンリーで行こうと思います。
なお、他のサービスの今後の対応は随時調べていこうと思います。
チャットワーク(ChatWork)実質有料化について、あなたはどう思いましたか?
この問題についてはネットでもいろいろ議論がされています。
私もユーザーの一人として衝撃でしたが、ビジネス(仕事)上どうしても外せないものでした。
現在使っている方も、これから始めようと考えている方にも重大な問題ですね。
このチャットワークというサービスについての変更内容や有料化の対策など詳しく紹介していきました。
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