マイナス10度の気温とはどのくらいの寒さ
マイナス10度とは、水分を含むものは少なからず凍っている気温です。
では、マイナス10度の気温とはどのくらいの寒さかというと、
日が射す日中であっても風が冷たく感じます。
しかも肌に直接当たると痛く感じることもあるくらいです。
ただし、北海道生まれで北海道育ちの私の経験上、気温が-10℃でも風がないと逆に実際の数字よりも体感温度は暖かく感じることもあります。
マイナス10度の気温とはそんな不思議な気温でもあるといえます。
とはいえ僅かな風でも体感温度がかなり下がります。
たとえば冬の日に急に強い風が吹いたりすると、鳥肌が立って背筋が続々することがあります。
こんなときにも「今日は、しばれるべさ~」なんて使い方もします。
特に晴れた日の夜から朝に掛けては、放射冷却現象による冷気が寒さをより厳しいものにします。
頬に触れれば冷たく、耳は冷え切って感覚がなくなることもあります。
なので、しっかりとした防寒対策なしに外に出るのは無謀です。
勿論、肌の露出が多くて体温が奪われる格好をしていれば最悪命に関わることもあり得ます。
手は耳同様に露出していると指先から体温が奪われてしまい、感覚が鈍くなって力が入らなくなります。
凍えて震えることもありますが、これは震えによって体温を上げようとする体の反応によるものです。
-10°では水を適当な容器に入れて外に置いておくだけで凍ります。
なお、窓際でも0度近い温度ですから、屋内であっても十分に凍る可能性があります。
寒さで凍ったバナナで釘を打つのはCMでも有名ですね。
これを真似てマイナス10度で試したこともありました。
しかし、マイナス10度程度では十分にバナナは凍らず、釘を打とうと思ってもバナナの方が負けてしまいました。
バナナで釘を打とうと思ったら、最低でもマイナス10度より低い気温の時に、十分に凍らせてから試してみるのが無難ですね。
しかし、-10度でも大抵のものは凍り始めます。
人や動物のように発熱する生き物でなければ、植物も凍らずにいるのは難しいでしょう。
マイナス10度の気温で予想される被害の目安
マイナス10度の気温で予想される被害といえば不十分な防寒対策による凍傷や、水道管の破裂が主な被害の目安となります。
これは建物の断熱性能にもよりますが、水面が凍ったり便器にヒビが入ることもあります。
地面も凍るのでコンクリートやアスファルトの道は滑るので転倒に注意が必要です。
なお、雪道でも不安なく歩ける『コロバンド』のようなグッズは雪慣れしていない人には便利です。
革靴につけるスパイク状の滑り止めが転倒を防いでくれます。
コロバンドがあれば、仕事場に向かうとき急に雪が降っても安心できますね。
また、よく言われる-10度程度で、車のエンジンが掛からなくなることはなかったです。
しかし、セルモーターを何度も回すくらい車のエンジンが掛かりにくくなることは私も何度か経験しています。
さらに、長期間乗らない、エンジンをかけたことが無い車などはバッテリーがあがることもあります。
特にこのマイナス10度の気温では夜間の冷え込みには注意が必要です。
車の場合、ガラスの凍結も同様に気をつけたいところです。
早朝に車で出勤する場合などは、市販の解氷スプレーがあると便利です。
ただし、この方法でフロントガラスを解氷する場合は車内が十分に温まった状態。
水分を拭き取らなければ走り出すとすぐにまたフロントガラスが凍る恐れもあります。
また、屋外に水を張ったバケツを置いておけば、数時間で凍ってしまいます。
寒さに弱い植物は-10°に耐えられませんから、屋内に移動するなどして寒さから守ることが必要があるでしょう。
なので、凍ると困るようなものは外に置かないのというのが正解です。
当然ですが、雪が降れば溶けずに屋根につもります。
日が射すと溶け出して軒先につらら(氷柱)が生じるので、雪やつららが溶けて落ちて怪我する被害が発生することがあります。
その為、つららができていて日が出る気温が上がる日は、軒先を避けるように歩くことが肝心です。
言うまでもありませんが、マイナス10度でも薄着のまま屋外で眠れば危険です。
なお、マイナス10度の気温でキャンプはできるのかについても下記の記事で紹介しています。
同様に、車で外出してエンジンが止まり移動できなくなると、車内が冷え切って体温が低下する状況が発生します。
これもマイナス10度で起こり得る被害の1つです。
そのため-10度では長距離の外出を控えたり、万が一に備えてから出発するのが賢明です。
例え慣れている道のりであっても北国では油断禁物です。
吹雪いて視界が悪くなるような状況は更に命を危険にさらすことになります。
そのため、車でも油断しないことが大事です。
さらにこれがマイナス20度ともなれば、どのくらいなのか?
マイナス10度のときとは比べ物にならない寒さと被害が考えられます。
万端の防寒対策をしたり、吹雪を避けて外出しても、路面の凍結は避けられないのでスリップに要注意です。
ブラックアイスバーンは一見して凍結していると分からない状態でも、路面の表面が凍結してとても滑る状態になる現象です。
夜間は足元が見えにくくなることも相まって、車のブレーキが効きにくくなったりします。
また、歩いていて転倒しやすくなるので、十分に注意しながら移動することをおすすめします。
-10°では未対策で外出をするのは無謀です。
マイナス10度の気温ともなれば服装にも注意が必要となります。
マイナス10度の気温でおすすめの服装については下の記事で詳しく解説しています。
また、雪で足元を取られれば後は成り行きに任せる他なくなります。
これは少ない雪でも、マイナス10度ともなれ積もった雪の下が凍っていることがあるからです。
たとえば、降水量が1mmや4mmといった少ない量の雪が積もった場合でもいえることです。
滑り始めたり転ばないように気をつけることが不可欠です。
濡れた路面が凍結するのは当然です。
滑って転んで怪我をすることは容易に想像したり予想できるはずです。
マイナス10度の気温で起こる自然現象は何
マイナス10度で見られる、起きる現象はいくつもあります。
しかし、何ぶん自然に発生するので条件は様々です。
場所が限られていたり、条件が滅多に揃わないケースもあります。
マイナス10度の気温は、生きるのには過酷な環境です。
しかし、同時に暖かくて過ごしやすい環境ではお目にかかれない、幻想的な状況が発生するのも確かです。
なお余談となりますが、私の地元である北海道では流氷が到来すると気温が下がる傾向にあります。
これは海が流氷に覆われるため、海に蓋がされたような状態になります。
そのため、海から上がる水蒸気の量が減って晴れやすくなる放射冷却現象は起こるためです。
流氷については下の記事で詳しく解説してみました。
ダイヤモンドダスト
ダイヤモンドダストは、マイナス10度で環境条件が整った時に、キラキラと舞う雪の結晶を見ることができる現象です。
空気が澄んだ状態になりますから、星空も良く見えて星座も確認しやすくなるでしょう。
車のガラスが凍ったり、呼吸すると鼻の粘膜や肺が痛くなったりする寒さではあります。
-10度の気温により、水蒸気が空気中で凍って結晶が舞う、ダイヤモンドダストが代表的なものに挙げられます。
ダイヤモンドダストは、空気中で凍り始めた結晶に光があたり輝く現象で、キラキラと幻想的な世界を見せてくれます。
ただし、マイナス10度の気温だけでは発生せず、水蒸気が凍る条件や時間帯も限られます。
そのため、簡単にお目にかかれるものではないです。
サンピラー
サンピラーはダイヤモンドダストに関連する自然現象で、光のあたり方と見える角度によって、光の柱が現れる自然現象です。
太陽の光が柱のように見えるサンピラーも、この氷点下の気温の時にのみ発生することがある自然現象の1つです。
垂直に現れるサンピラーは、まるで地上から天に向かって柱が伸びるように見えるのが特徴です。
星空の輝きが増す
星空はダイヤモンドダストやサンピラーとは異なり、夜間に見られる自然現象です。
正確には、雲のない晴れた日に視界が晴れて星が良く見えるの星空です。
なお、湿度が下がることで更に星が輝いて見えます。
都会よりも暗い地方の方が星空の観測に有利です。
冷え込む季節ほど綺麗に天体観測できる確率が高まります。
樹霜
樹霜(じゅそう)は気温がマイナス10度以下に下がる時に、空気中の水蒸気が樹木について霜が発生する自然現象です。
この樹霜は発生条件がそれほど難しくないので、雪国であれば割と見ることができます。
北海道なら札幌の市内でも見ることができますし、ウインタースポーツができる山の近くでも見られるでしょう。
フロストフラワーや樹氷
気温がマイナス10度よりもう少し下がると、水分が花のように凍って見えるフロストフラワーや、樹氷(じゅひょう)に出合うことができます。
フロストフラワーは湖限定で、氷が薄く張って水蒸気が立ち上る、雪のない日に限って見られるものです。
水が短時間で凍るほど急に冷え込んだり、風が吹いていないなどの条件もあるので、お目にかかれるチャンスは少なく非常にレアです。
樹氷は湿った雲が冷やされたり、猛烈な吹雪が吹き込むなどの発生条件があります。
フロストフラワーと違って風が強く、常に冷たい風が吹きつけるような状況が続かなければ発生しないです。
樹霜にようにどこでも見られる現象はともかく、フロストフラワーは地元に居ても、そうそう狙って見られるものではないです。
マイナス10度の気温とはどのくらいの寒さ|まとめ
マイナス10度の気温とはどのくらいの寒さかといえば、風が冷たく肌が露出していると痛く感じるほどです。
そのままだと指先の感覚がなくなったり凍傷になる恐れもあります。
予想される被害の目安は水道管の破裂や便器の破損、車のガラスの凍結やつららの落下などが挙げられます。
また、ブラックアイスバーンによるブレーキの効きにくさや転倒も挙げられます。
いずれもマイナス10度以下が発生条件ですが、自然現象によって他にも条件が変わります。
どれも簡単に見られるとは限らない自然現象です。
マイナス10度の気温とは、それ以上の気温とは環境が異なります。
そのため、油断して水道管を破裂させたり怪我をしないように注意が必要です。
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