ニホンカモシカの生息地はどこ?
ニホンカモシカの生息地については日本固有種ということもあり、生息地は日本に限られてきます。
似たような種類のカモシカも中国等にはいるとはいえ、ニホンカモシカは日本にのみ生息しています。
本州では東北地方から中部地方にかけて生息していますが、特に日光等で繁殖が進んでいます。
また、ニホンカモシカは紀伊半島や鈴鹿山脈等にも隔離分布していることも特徴です。
ニホンカモシカは山形県、栃木県、富山県、山梨県、長野県、三重県においては県獣に定められているくらいポピュラーな動物でもあります。
ニホンカモシカをあしらったお土産等も地域によっては売られています。
「具体的にどこに生息しているのか」と気になる人もいるかもしれません。
生息する場所については研究が進んでいますが、通常は低山地から高山帯にかけて生息していることが多くなっています。
これは低山地や高山帯はブナ等の落葉広葉樹林も豊富であり、食料となる果実や樹皮等が豊富であるためです。
しかし、海岸線付近で見られることもあるくらい、実に多様な場所で生息していることも特徴です。
時には人間が住んでいる集落等にも降りてくることがあります。
これは食料探しのためであり、冬場にはニホンカモシカが集落にあらわれてニュースになることもあります。
観光地においては観光客に馴染んでいる個体も少なくありません。
観光客が与えるせんべいなどの味に慣れていしまっている個体は、危険なほどに人間が住んでいる住宅地等に大胆に侵入してくることもあります。
しかし、こうしたケースはやはり稀であり、基本的にはニホンカモシカは人間の目に触れることはあまりありません。
また、季節的な移動も行わないため、生まれたところで生涯暮らすというのが普通です。
マーキング行動を行うものの、そこまで縄張りに対しては敏感ではありません。
通常は50へクタールほどの縄張りを形成して生活するものの、発情期ともなると群れを形成して行動することもあります。
寝床は切り株や木の根元等であり、基本的には見渡しの良いところを好みます。
これはプレデターをいち早く見つけるのが理由です。
ニホンカモシカの天敵はかつては狼などでしたが、キツネやタカ等もカモシカを捕食することがあります。
また、崖地を好むということも特徴の一つとなります。
カモシカは崖地を登るのにも長けており、捕食動物から逃げる際にも崖地はうってつけのようです。
ちなみに生息地は時代とともに大きく変化していることも特徴です。
関東平野にも生息していたとされていますが、今ではカモシカの影も形もありません。
特に戦後は開発が進んだこともあり、ますますカモシカの生息できる地域は減ってきています。
ちなみに、他の生物と良く間違われることが多いのもカモシカの特徴です。
例えば、ヤギやイノシシ等と間違われることもあります。
カモシカは姿勢によってかなり大きく見えたり小さくみえることもあるので、誤認されることも多くなっています。
ニホンカモシカの最近の目撃地や現在の生息数
ニホンカモシカは通常は目撃されることはあまりありません。
ひと目を嫌う動物ですし、人間が山に入ってきても警戒して近寄ろうとしません。
そのため、ニホンカモシカの目撃数は決して多くないのが特徴です。
とはいえ、地域によってはまとまった目撃数が報告もされています。
それだけニホンカモシカの数がこの地域において増加していることが伺えますね。
目撃されるケースも多様であり、集落に降りてきた個体が発見されるといったことがあります。
しかし、人間に目撃されると直ぐに逃げる習性があるのが特徴であり、鮮明な写真を撮影することは難しくなっています。
そのため、最近の目撃談をチェックする際には少し注意してかかる必要性もあります。
また、先述したようにニホンカモシカは誤認もされやすいです。
山中で発見される場合にも、人間と遭遇すると直ぐに逃げてしまうので中々撮影等はしにくくなっています。
山なれしていない人がニホンカモシカを発見するケースも増えています。
ですが、中には実はカモシカだと思ったら全く違う生物だったという目撃談も少なくありません。
例えば、最近の目撃談には「学校の研修で山登りをしていたら、カモシカが2頭歩いているのが見えた」というものがあります。
他にも、「群馬県で山道を歩いているカモシカを見たが、すぐに逃げてしまった」という目撃談もあります。
カモシカの目撃地は本州がほとんどであり、特に群馬や長野で多くもなっています。
ソーシャルメディアにがニホンカモシカの目撃内容をアップロードするなんて人も出てきているようです。
もしもどのような生物なのか実際にみたい場合には、動画投稿サイトで目撃内容を見てみるのも良いでしょう。
動画投稿サイトには数々の目撃内容がアップロードされており、カモシカに遭遇した状況の臨場感が楽しめます。
とはいえ、動画のほとんどが遠方から撮影したいものです。
それくらいにニホンカモシカは周囲の環境に敏感です。
やはり目撃してもじっくり観察することは容易なことではありません。
なんといってもニホンカモシカは嗅覚も実に優れています。
全く光がない夜間でも問題なく歩けるくらい、ニオイを頼りにしているのがカモシカです。
そのため、人間の側がカモシカ気付くというよりもカモシカが人間の存在に気付くことが圧倒的に多くなっています。
また熊よけのスプレーのニオイや熊よけ鈴等で感づかれてしまうこともあります。
もしカモシカを間近で観察したいならよっぽど慎重にならないといけません。
もしも気軽にニホンカモシカを観察したいならば、動物園に行っても良いでしょう。
動物園では必ずといってよいほどにカモシカが展示されています。
それくらいカモシカは人気がある動物の一つです。
観光地の個体は人間慣れしているので、観光地で観察するのも良いでしょう。
ニホンカモシカの現在の生息数も気になるところですが、生息数は減少・低下傾向にあります。
なので、例生息密度や生息数も下がっています。
例えば、九州においては生息数は1990年度では約1,000から2,000頭、2000年代においては約500頭にまで生息数が減少しています。
この傾向は他の地域でもほとんど同じですが、日光等のように地域によっては微増しているケースもあります。
そもそもカモシカ自体が中々観測しにくい生物なこともあり、正確な生息数の把握は難しいというのも事実です。
ニホンカモシカが駆除されるのはなんで
ニホンカモシカは駆除されるケースもあります。
色々な理由で駆除されることがあります。
なんで駆除されるのかで多いのは、やはり人間が住んでいる麓(ふもと)まで降りてきてしまった場合です。
カモシカは、畑等をあらすことも理由の一つとなります。
食べ物が少なくなる冬場ともなれば山を降りてきたカモシカの目撃談も一気に増えてきます。
通常は威嚇などをして山に追い返すものの、人間に慣れたり味をしめてしまったカモシカの場合には駆除しないといけなくなるケースがあります。
他にも、異常繁殖等をした場合にも駆除しないといけなくなることもあります。
そんなニホンカモシカですが、実は天然記念物の一種です。
地域によっては神獣としてあがめられている地域もあるくらいです。
また、先述したように生息数も少なくなっており保護活動も広まっています。
九州では1000頭を下回っているくらいに個体数が減少しています。
下手をすると絶滅してしまう可能性があるくらいです。
とはいえ、まだニホンカモシカは絶滅危惧種としては登録はされていません。
日本全域で見たらまだまだ個体数は確保されているというのが現状です。
ニホンカモシカは低危険種類に分類されており、注意をして見守っていかないといけない生物の一つになっています。
現在は、低危険種類は絶滅危惧種の2ランク上の分類となります。
そこまで絶滅の可能性は高くないものの可及的速やかに対処する必要性があるとされています。
ニホンカモシカは実に独特な動物ですし、エコシステムを守るためにもしっかりと保護していきたいところです。
保護活動としては、山地開発の自粛やカモシカ駆除の禁止などが考えられています。
カモシカは日本固有の貴重な生物です。
ニホンカモシカを絶滅させないように手厚く保護していきたいところです。
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特にニホンカモシカの今後を大きく左右するのが地球温暖化です。
地球温暖化はニホンカモシカにも大きく影響を与えると考えられます。
地球温暖化が進むとますます生息できるところが減ってしまって更に個体数が下がる可能性があります。
逆に地球温暖化が進むことで東北等で更に分布も広がって、逆に個体数が増えるのではという憶測もあります。
いずれにせよ、少しの環境変化でも大きなダメージを与えてしまうくらい、カモシカの数は減ってきています。
だからこそ今後も適切な保護活動等が求められているのです。
ニホンカモシカの生息地はどこ?|まとめ
ニホンカモシカは日本古来から生息しています。
色々な有名な伝記や和歌・書物にも登場しています。
なんと言っても分布地域が広範囲に及んでおり、各地域で目撃されているくらいです。
時にはニュースになることもあります。
ニホンカモシカに関して紹介しましたが、生態についてはまだまだわかっていないことも多いです。
例えば、どのくらいの群れを作って行動するのかも色々と異説があります。
駆除される理由も様々ですが、ニホンカモシカは実に貴重な生物なのでしっかりと生息数を増やしていきたいところです。
地球温暖化の影響も気になるところでしょう。
特に生息数を増やすためにも更にカモシカについて知ることが大事でもあります。
また、近くでニホンカモシカを見かけたら、餌を与えるのは禁物です。
なんでかというと人間に慣れすぎるとろくなことがありません。
山に追い返してやるのがニホンカモシカにとっても人間にとっても最善です。
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