パワハラを録音


パワハラ(パワーハラスメント)の証拠集めでは、証拠能力のある決定的なシーンを押さえることが重要です。

 

そのため、相手に確認を取らない秘密録音が行われるケースがあります。

 

しかし、同時に盗聴との違いが気になったり、違法性が心配の種になりがちですね。

 

堂々と証拠を集める為には、自信を持って取り組めることが大切となります。

 

なので、盗聴ではないことを確認したり、適法性について理解を深めることが肝心です。

 

もし隙を見せてそこを相手に突かれてしまうと、折角証拠を揃えても立場が逆転する恐れがあります。

 

そこで、適法な方法で証拠を集めることが必要不可欠となります。

 

ここでは、パワハラの秘密録音に違法性はあるのか、盗聴との違いや証拠能力も詳しく解説していきますね。

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パワハラの秘密録音は違反?

 

パワハラ(パワーハラスメント)の秘密録音は違反か適法かといえば微妙なところで、グレーゾーンに位置すると思われます。

 

特に、プライバシー権を侵害する恐れが拭えないので、学説上においては違法と合法の両方にそれぞれ意見が分れています。

 

違反の完全な否定が難しい以上は適法と断言するのは困難ですから、このように意見が分かれるのも当然です。

 

プライバシー権の侵害を理由に相手に裁判を起こされてしまえば、裁判で違法性があると判断されてもおかしくないわけです。

 

適法かどうかについては、過去の判例を見て判断するのが基本です。

 

昭和52年に東京高裁で開かれた裁判では、通常話者の一般的人格権を侵害する恐れがある。

 

こうした上で、著しく反社会的な手段を用いなければ問題ないとされました。

 

つまり、パワハラ(パワーハラスメント)の証拠集めが目的で反社会的な手段でなければ、秘密録音をしても違反はない。

 

 

このような判断がされる可能性が高いことになります。

 

無条件で適法というわけではありませんから、違法性はあるともいえますし、グレーゾーンに留まるとも考えられます。

 

刑事訴訟の裁判では、違法収集集証拠排除の原則があって、違法な手段で集められた証拠は有無を言わさず無効です。

 

逆にいうと、民事訴訟で証拠能力が認められる手段であれば、完全に合法とはいえなくても違法性は問われなくなります。

 

昭和52年の裁判は、秘密録音が不法行為や慰謝料の対象になるとしても、訴訟で証拠に使えると結論づけています。

 

学説上では未だに違法と合法の2つの意見が存在します。

 

ですが、過去の判例から判断する意味では、十分に適法になり得ると捉えても大丈夫でしょう。

 

ただ、パワハラ(パワーハラスメント)の証拠でも、秘密録音の取り扱いには細心の注意が必要です。

 

そのため、安易に持ち出したり交渉材料に使用しない方が無難です。

 

この問題はとてもデリケートなものですから、弁護士などの法律の専門家に相談して任せるのが最も安全です。

 

扱い方を一歩間違えると、違法性が問われたりパワハラ(パワーハラスメント)の証拠にならなくなるので、重要と考えて慎重に取り扱うことが求められます。

 

 

相手の家に乗り込んで盗聴器を仕掛けるのはもちろん論外です。

 

ただし、会話の最中にスマホの録音機能をONにしたり、ボイスレコーダーを携帯して記録するのはありです。

 

原則として、録音が禁止される場所だと録音自体が違反で違法となるので、例えば裁判所のような場所では許可なく録音をしないように気をつけましょう。

 

会社だと使用者が業務命令で労働者の秘密録音を禁止できます。

 

 

ですが録音相手の人格権を著しく反社会的な手段で侵害しなければ、過去の判例によって録音が認められます。

 

ただし、基本的に秘密録音は業務命令における禁止の対象で、従わなければ労働契約違反の就業規則違反に問われます。

 

やはり安易な録音は違反となるので避けるのが賢明です。

 

パワハラ(パワーハラスメント)が事実だと、労働者による無許可の録音よりも、職場環境配慮義務違反の方が重要視されます。

 

なので、むしろ使用者の方に改善義務が問われます。

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パワハラの秘密録音と盗聴との違い

 

秘密録音と盗聴は、一見すると言葉が違うだけで中身は同じイメージですが、実は捉え方に違いがあります。

 

前者は会話の当事者に許可や同意を得ない、文字通り秘密で録音することを指します。

 

一方の後者は、録音が無断でプライバシー権を侵害し得る点は共通ですが、秘密録音が証拠能力を持つのに対して、盗聴は明らかに違法です。

 

パワハラ(パワーハラスメント)の証拠集めが大前提となります。

 

相手の会話を記録して裁判の証拠にする目的であれば、即違法と判断される盗聴ではなく、証拠能力がある秘密録音となります。

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第三者にしてみれば、どちらも無断で録音している形ですから、違いが分からなくて違法といわれても仕方はないです。

 

 

パワハラ(パワーハラスメント)当事者以外の声が録音に記録されてしまうと、その部分にプライバシー権の侵害が疑われるので、盗聴とみなされないように注意が必要です。

 

結局のところ、秘密録音は限りなく盗聴に近く、証拠集めでやむを得ず使う方法だといえるでしょう。

 

いくらパワハラ(パワーハラスメント)の被害者で、証拠を集める理由や正義があるとしても、リスクを負うことになるのは変わらないわけです。

 

非常にデリケートな問題で録音内容に違法性をはらむ可能性があります。

 

まずは顧問弁護士や会社の法務と相談して、それから録音の証拠集めを始めるのがベターです。

 

実際に秘密録音をするのは被害者本人なので、常時録音ではなく本人自身の判断で録音を始める必要があります。

 

その判断には法的な解釈、判断材料があると安心ですから、一度弁護士や法務部に相談することをおすすめします。

 

勢い余って相談もなしに録音を始めると、明確な理由や正当性があるにせよ、パワハラの当事者相手に隙を見せることになります。

 

これでは反論の余地を与えるのと変わりません。

 

確実に裁判で勝つ為にも、法律の専門家のお墨つきを得てから録音に踏み切るのが正解です。

 

確かに、決定的な発言の証拠は逃さず残したいものです。

 

しかし、ボイスレコーダーなどを取り出す瞬間を見られてしまうと厄介です。

 

 

焦りに基づく行動は相手の警戒心を生み、時に罠を張る余裕すら与えてしまうので、常に冷静に行動する準備が欠かせないです。

 

会社を敵に回してしまえば、証拠を押さえるチャンスを逃したり、パワハラ(パワーハラスメント)の証拠が隠される恐れが出てくるので要注意です。

 

証拠能力を持つ録音と明らかに違法な録音の違いは、法的に証拠能力が認められるか否かの差なので、安易な行動で証拠能力を損ねないことが大事です。

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パワハラの秘密録音の証拠能力

 

パワハラ(パワーハラスメント)の秘密録音の証拠能力は、反社会的な手段で録音したものでなければ十分に証拠能力があると最高裁で認められています。

 

相手を誘導して発言を引き出したり、脅しや挑発をした場合は別です。

 

ですが、普通の会話の中での暴言や人格の否定が音声データに残っていれば、それが証拠となるでしょう。

 

勿論、不法侵入で録音したものだと、パワハラ(パワーハラスメント)の証拠集めの秘密録音でも証拠能力は失われてしまいます。

 

どちらかといえば盗聴ですから、盗聴で集めた音声が証拠能力を持たないと判断されてもおかしくないです。

 

それと、会話の流れが掴めないとパワハラ(パワーハラスメント)の判断は難しいので、話の前後が分かる長めの録音が証拠に適します。

 

秘密録音で相手の発言を捉えるつもりなら、早めのタイミングで録音を始めて、全体のやり取りの流れや会話の繋がりが分かる記録を残すことが重要です。

発言内容が不明瞭な場合も証拠能力は弱くなってしまうので、発言が明瞭に記録できるクリアな録音が不可欠です。

 

秘密録音のタイミングで狙い目なのは、相手と2人きりになる上司や先輩からの呼び出しです。

 

入室の直前に録音をONにしておけば、一連の会話内容が全て録音に収まるので、かなり有利な証拠が手に入るでしょう。

 

相手に録音していないか疑われる恐れもあります。

 

ボイスレコーダーやスマホ、スーツに隠すマイクなどを使うことで、仮に1つ没収されても保険が掛けられます。

 

平成28年の最高裁の事例では、第三者が匿名で録音した内容を相手に送りつけ、民事訴訟で録音が証拠にはならないと判断されています。

 

民事訴訟における信頼の裏切り行為として、総合的に判断された結果このような結論に至ったものです。

 

非公開や守秘義務のある録音禁止の場で、更に裁判官に与える証拠の心証が弱いことから、秘密録音よりも盗聴と捉えられてしまったわけです。

 

パワハラ(パワーハラスメント)の決定的瞬間を捉えても、音声の扱い方を間違えれば結果は変わってきます。

 

第三者による無断録音や送りつけはやめた方が良いです。

 

違法かどうか証拠として認められるか否かは、裁判官のさじ加減次第です。

 

ネガティブな印象を与えてしまうと、例え被害者といえども不利になってしまいます。

 

パワハラ(パワーハラスメント)の問題解決には慎重さを要します。

 

人格権の侵害や録音行為の違法性は、折角集めた証拠を無駄にしてしまうので、どう証拠を残すか戦略的に考えることが大切です。

パワハラの秘密録音に違法性はある?盗聴との違いや証拠能力も解説!のまとめ





パワハラ(パワーハラスメント)の秘密録音の違法性は、証拠能力の有無によって決まってきます。

 

盗聴との違いは証拠能力が認められるかどうかで、脅して引き出した発言を隣の部屋で録音したり、第三者が勝手に録音を行えばそれは盗聴です。

 

秘密録音が裁判の証拠になるかについては、反社会的な方法を用いたものではないことです。

 

また、プライバシー権の侵害はなく、人格権も侵害していないなどで決まります。

 

反社会的とは脅迫や拘束、プライバシー権の侵害は個人的な会話の第三者による盗聴、人格権の侵害はパワハラと関係のない録音があてはまります。

 

いずれにしても、盗聴との違いを理解したり違法性があると判断されないことに気をつけるのが、適法な裁判の有力証拠確保に繋がります。

 

裁判官の心証を悪くしてしまうと集めた証拠が弱くなってしまいます。

 

まず最初に裁判官の反応を想定できる法律の専門家を味方につけるのがベストです。