パワハラ(パワーハラスメント)という言葉は有名ですね。
しかし、その一方でこれに当てはまる暴言や適切な言葉や指導の違いについて知らない人は多いです。
自分ではそのようなつもりがなくても、実は問題のある言動をしている可能性もあるので注意が必要だと言えます。
また、知らないうちに上司や先輩から該当する言動を行われている可能性があるでしょう。
事前に暴言例などを確認することによって、問題のある言葉を言ったり態度をとったりしないことが大切です。
該当する暴言を受けた場合は誰かに相談するようにしましょう。
あらかじめ具体的な例を知っておくことで、大きなトラブルを避けることができるようになるはずです。
ここでは、パワハラ(パワーハラスメント)の暴言例について詳しく解説していきますね。
また、適切な言葉や指導との違いも紹介します。
パワハラ(パワーハラスメント)の暴言例
パワハラ(パワーハラスメント)に該当する暴言には多種多様なものがあります。
自分が言っていないかどうか、言われていないかどうか確かめるために具体的な暴言例を確認しておくことが大切です。
過去に問題になったパワハラ発言はたくさんあります。
たとえば、「お前は馬鹿だ」・「頭が悪いことを自覚しろ」・「今までこれほど使えないやつはいなかった」などの発言があるでしょう。
乱暴な言葉による罵倒や叱責は精神的な攻撃に該当します。
発言者が怒鳴っていなければ該当しないと勘違いしている人もいます。
しかし、口調の強さや言い方に関係なく、乱暴な言葉を用いているようであれば該当してしまうことを知っておきましょう。
「お前」や「クズ」、「ババア」や「うざい」などの発言も該当するので注意が必要だと言えます。
「殴るぞ」、「殴られずに済んで良かったと思え」、「男だったら殴ってたからな」「お前のことを他のやつも殴りたいと言っていた」という言葉も問題です。
実際に殴ったり手を出したりしていなければ問題ないと認識している人もいます。
ですが、実際に手を出したかどうかに関係なく、こういった発言は問題だと見なされます。
ちなみに、直接殴るなどの暴力的な言葉がなかったとしても、殴る振りを行うことなどもパワハラに該当することを知っておきましょう。
「会社のビルから飛び降りろ」、「家族まで痛い目にあわせるぞ」などの暴言例もあります。
過激であるかどうかに関係なく暴力をちらつかせる、危険な行動の指示をしてはいけません。
家族・パートナー・子供に対する暴言もNG
「親の顔を見せてみろ」、「どんな教育を受けてきたんだ」、「嫁さんは見る目がない」、「お前と結婚する旦那はおかしい」、「子供も頭が悪いんだろう」などの発言も、かなり問題だと言えます。
このように本人だけではなく、両親やパートナー、子供に対する暴言を行うことも勿論問題です。
家族以外にも友人や知人、恋人などに対する暴言が行われることもあるので注意しておきましょう。
「休日も会社に来い」、「仕事ができないのだから他の社員と話すな」、「顔を見たくないから会社で昼食をとるな」、「飲み会に絶対参加しろ」など、行動を強制するような言葉も該当します。
業務上必要な指示ではない、限度を超えている指示は問題になるので注意が必要です。
「休むときは代わりに仕事するやつを見つけろ」、「出産休暇や育児休暇を取得するなら会社を辞めろ」など、これらの行動の強制も問題になります。
「気持ち悪い」、「デブ」、「チビ」、「ブス」などの容姿に関する悪口も暴言に該当します。
また、「お風呂に入っているのか」、「化粧がへたくそ」などの発言も問題です。
本当に背が低い、太っているなどの容姿であったとしても、仕事に関係がないことですからただの暴言として見なされます。
当たり前ですが、「あいつよりも太っている」、「みんなもブスだと思っているよな」など、他の人と比較したり同意を促したりするような発言も駄目です。
「恋人いないでしょ」、「夫婦生活が上手くいっていないでしょ」、「浮気したい願望があるだろう」など、プライバシーを侵害するような質問もNGだと言えます。
これらの発言は悪気なく雑談として行う人が多いのですが、業務に関係ありません。
なので、プライバシーの侵害に当てはまるので控えるべき発言です。
「モテるやつは良いね」などの言葉も問題なので、雑談のつもりでもこういった内容を言葉にするべきではありません。
これ以外にも、「給料泥棒」、「使えないからプロジェクトから外す」、「有休を使ってどうする気なの」などの発言もあります。
直接的な暴力をちらつかせる言葉以外にも、乱暴な発言やプライベートに踏み込むような質問、不当に立場を悪くするような発言をしてはいけません。
乱雑な言葉遣いもパワハラに該当する暴言になる
もともと乱雑な言葉遣いをしている人の中には、問題だと思わずにこういった発言をしている人もいます。
それでも、受け手が訴えれば大きな問題になるでしょう。
実際にこういった言葉をかけられた人の中には、それほどひどくないはずだからという理由で誰にも相談できない、我慢するべきだと思っている人もいます。
ですが、受け手が嫌だと感じたのであればパワハラに該当する暴言である可能性が高いです。
ここにあげた以外にも様々な暴言がまだまだあります。
暴言例にないような発言であっても問題だと感じるものは然るべき場所で訴えるべきだと言えます。
よくある暴言例にはこれらの言葉をあげることができます。
ここに記載されているもの以外にもたくさんの暴言があることを理解しておくことが大切です。
少しでも違和感や不快感を覚えた場合は、該当するかどうか調べたり然るべき相手に相談するようにしてください。
普段言葉遣いが乱暴だと感じる場合は、ここにあげたような言動やそれに近い言動をしてしまうことがないように注意しておくべきだと言えます。
パワハラに該当する暴言例を参考にすると、言動を改めたり、周りの問題ある言動に気づくことができるようになるでしょう。
パワハラ(パワーハラスメント)にならない適切な言葉
様々な言動がパワハラ(パワーハラスメント)として認識されるのであれば、本当に指導が必要なときにどのように対処すれば良いのでしょう。
このように悩んでしまうこともあることでしょう。
適切に指導を行うためには、これに該当しない言葉の選び方を知っておくと良いです。
また、自分が受けた言動が本当にパワハラかどうか判断するためにも知っておくべきだと言えます。
何か失敗やミスが起こったときには、問題にならない言葉で指摘することが大切だと言えます。
このときに重要なことは、怒るのではなく叱るように心がけることです。
似たように感じられるかもしれませんが、怒るは自分の感情をぶつけることです。
一方、叱るは部下のことを思って注意することだと認識しておきましょう。
たとえば、「使えない」などと暴言を吐くのではなく、具体的に「ここが悪かった」、「このように改善しなさい」などと伝えることができるはずです。
強い言い方や人格を否定するような発言は問題です。
しかし、淡々と問題を指摘するような発言であれば問題がありません。
事実と改善点を述べるような言い方にすると、受け手がパワハラだと思っても不適切だと見なされない可能性が高いです。
注意するときには相手にも質問することを心がけると良いでしょう。
勘違いで叱ってしまう可能性もあるので、部下のミスやトラブルの原因を明らかにすることが重要です。
「どんな理由でこうしようと思ったの」、「どうしてこうなったと思うかな」などと、優しく問いかけることが大切だと言えます。
「どうしてこんなやり方をした」などと発言すると、脅迫されていると思われる可能性が高いです。
問題発言だと認定されてもおかしくないので注意が必要です。
感情を抑えながら冷静に質問を行うことで、正しい指導に繋げることができます。
このように、部下を注意するときには人格否定がないようにすることも大切です。
「いつもボーっとしているから仕事ができない」、「どのように育てられてきたの」など、人格否定に繋がる発言をしてはいけません。
今までの人生や生き方、相手の周囲の人間を否定するような言い方はやめてください。
「集中力をアップさせるために、1つの仕事が終わってから次の仕事にとりかかろう」などと人格否定をしないように気をつけながら指摘すると良いです。
実は気軽に使われがちな「マイペース」という言葉もパワハラになる可能性が高いです。
言われた側が嫌だと思ってしまうようなワードは選ばないようにしてください。
特に性格に関するワードは悪気なく使ったものが相手にとっては嫌であることが多いです。
直接性格を指摘しないような言葉に置き換えるべきです。
肯定することも大切だと言えます。
失敗が起こるときには、頑張りが空回ってしまっているケースもあるでしょう。
そのようなときには肯定的な言葉を増やすことで、問題のある発言を避けることができます。
「この提案をしたいという気持ちは伝わるけれど、先方の要望を考えるとこうするべきだった」などと肯定しつつ改善点を述べると良いです。
パワーハラスメントにならない適切な言葉を選ぶためには、感情的にならないことです。
人格否定をしないこと、肯定しながら伝えることが重要だと言えます。
反対に感情的になったり人格否定を行ったり、全てに対して批判してしまうとパワハラになってしまう可能性が非常に高いと知っておきましょう。
言葉の選び方は状況によって大きく違っています。
パワハラに該当するような乱暴な言葉遣いをしないようにいくつかのことを意識しながら発言することが大切だと言えます。
こういった言い方で指導が行われたのであれば、憂さ晴らしや攻撃のためのパワハラではなく、適切な指導であったと認識するべきだと言えるでしょう。
パワハラ(パワーハラスメント)と指導との違い
パワハラ(パワーハラスメント)と指導の違いを知っておくことはとても大切です。
業務のために行われた適切な内容であれば、叱責であってもパワハラと言うことは難しいです。
行き過ぎた暴言があれば話は別ですが、そうでなければ単なる指導として見なされます。
たとえば、遅刻があったときは「お前だけボーナスないからな」、「両親の顔が見てみたい」などという発言で反省を促すのはやめましょう。
「君の遅刻で会議に支障が出ました。次回はボーナスの査定に影響が出ます」などと伝えた場合は注意だと言えます。
業務態度が悪いことで査定などに影響が出てしまうことは当たり前です。
しかし、伝え方次第で注意になるかパワハラになるか違ってくることを知っておきましょう。
遅刻の例から分かるように、相手を馬鹿にする目的ではなく、相手の反省や成長を促すような言葉であればパワハラにならないと言えます。
また、馬鹿にする目的などがなかったとしても、業務に必要がない話題であれば問題だと見なされる可能性が高いです。
家族や恋人、休日のことなどに口出しする場合は、業務に必要ないので伝え方に関係なく問題だとされる可能性があるので気をつけてください。
業務に関係のある適切な指示や注意であれば、指導だと見なされます。
仮に相手が失敗やミスをした場合でも、過去のことを何度も繰り返しなじるようなやり方は問題です。
何かが発生した後に注意することは問題ではありません。
ただし、注意を行って態度が改善されたにもかかわらず、何度もその失敗やミスについて繰り返しなじるようなことはあってはいけません。
繰り返しミスについて言及するようであれば、行き過ぎていると認識され、パワハラに該当してしまう可能性が高いと言えます。
威圧的・否定的・批判的な態度は問題に繋がるケースが多いです。
肯定的・受容的・自然な態度や見守る姿勢は問題に発展しないケースがほとんどです。
イライラや怒り、嫌悪感などがある場合もパワハラに繋がっている可能性が高いです。
反対に穏やかな態度やキリッとした態度であれば単なる指導であると見なされる可能性が高いと言えます。
注意を行うときの態度についても気をつけておくことが大切です。
駄目なことは駄目だと伝えて良いのですが、問題ある発言だと認定されないためには丁寧かつマイルドな言葉を選ぶことが大切です。
暴力的のある言葉を使わないことがやはり大切です。
攻撃したり相手を悲しませたりするための言動を行わないようにしておくことが重要だと言えるでしょう。
「使えない」と切り捨てるのではなく、「作業のやり方が間違っている」と具体的に間違いを指摘するのであれば、問題発言だとして取り扱われることはないはずです。
問題行動や危険な行為、会社のルールを守らない言動で叱責されることは当然です。
問題になるかもしれないという理由で叱責をしないようにする必要はないのです。
ただし、発言の仕方によってトラブルになる可能性があります。
このときに、そのような事実がないのにクビや減給を示唆したり、人格否定や叱る相手の周囲の人を馬鹿にしたりするような発言をしてはいけません。
叱責されるべき内容であったとしても、こういった点でパワハラになってしまう可能性があるので注意しておくべきだと言えます。
このようにパワハラと指導は全く別のものです。
しかしながら、言葉の選び方や態度によっては簡単に問題のある発言だと見なされてしまうので気をつけておきましょう。
注意することがあっても、問題があると認定されないような方法を選ぶべきだと言えます。
事前にこれらの違いを詳しく確認しておき、問題となるような発言や行動をすることがないように気をつけておくべきだと言えるでしょう。
また、指導に該当しない言動があった場合は、然るべき相手に相談する必要があります。
まとめ
今ではパワハラ(パワーハラスメント)はとても有名な言葉です。
でも、該当する内容について詳しく把握することができていない人は非常に多い傾向があります。
自分自身がこのような発言をしないためにも、発言を受けたときに然るべき行動を起こすことができるようにしましょう。
そのためにも暴言例について知っておくべきだと言えるでしょう。
自分では気がついていないケースがあるので、あらかじめ詳しく確認しておくことが大切です。
また、適切な言葉を選んでいる場合は単なる指導を見なされると知っておきましょう。
言動によって受け手や周りからの印象に大きな違いがあるので、この問題を起こしてしまうような言動をしないように心がけておく必要があります。
普段何気なく行っている発言が問題となる可能性のある言葉かもしれないです。
なので、問題を起こす前に具体的な例や適切な注意の方法などを学んでおきましょう。