ナマケモノは、愛くるしくて、のんびりとした動きや顔の表情が人気ですね。
そんなナマケモノの生態やペットとして飼うとなれるのか?
また、食事(餌)と臭いや寿命など飼育するに当たり、注意点はあるか。
これらの気になる疑問について詳しく書いてみました。
ナマケモノの生態
ナマケモノは常にのんびりとしてかわいい姿を見せてくれますね。
見る人達を癒してくれる名前の由来も怠け者から来ているというそのまんまな感じです。
元々の先祖の名前はメガテリウムと呼ばれる生き物でした。
1万年前以上に南アメリカ大陸で生活していました。
成長する事で全長6mから8mに、そして体重に至っては3tにもなると言われる大きさの巨体でした。
その為地上で生活していて葉を食べる時には二本足で立ちあがっていたようです。
木の枝を手繰り寄せてから長い舌で食べるなど今のナマケモノからは想像もできないような動きです。
では実際のその生態というのがどうなっているのかお話していきますね。
まず注目するべきところは大きく二種類に分かれているというところです。
一つ目がミユビナマケモノ科というのは体長がおよそ50cmから60cmです。
野生の場合中央南アフリカの森林地帯に生息しています。
名前の通り指が前後肢とも3本となり尾が生えているというのも一つの特徴となります。
もう一つはフタユビナマケモノ科です。
こちらの体長は60cmから64cmで野生の場合コロンビアからペルーの森林地帯に主に生息しています。
どちらかと言えばこちらの方が気性が荒く比較的素早い動きも出来ます。
こちらも名前の通り前足の指は2本ですが後ろ足の指(爪)はミユビナマケモノ科同様3本です。
このように二種類の違いというのは単に名前でわかる指の違いだけではなく大きさや性質など様々な部分で微妙に違ってきます。
またどちらも四肢は長く特に後脚よりも前脚の方が長く発達<しています。
もちろん木の枝にぶら下がるための長い鉤爪も持っています。
そして頭は短く丸いのも特徴で、特技としてこちらも首は270℃も回す事が出来ます。
このようにナマケモノの生態を細かく見ていくとただ、ゆっくりとした動作をしているだけではないです。
様々な特徴があるという事がわかります。
同じく木の上で生活する動物にオランウータンがいますね。
こちらは、爪を木の枝にかけて移動はせず、手足で握りしめます。
オランウータンの場合は、動物界でも一二を競う握力があります。
この握力を使い木の枝をしっかり握り移動しています。
ちなみにナマケモノですが、こちらも木に長時間ぶら下がるので握力が強いか?
答えはNO(ノー)で、実は握力はとても弱いです。
そのため、あの長い爪を木や木の枝にかけてぶら下がります。
ナマケモノを飼う方法
ナマケモノを飼いたい理由には、そのゆっくりとした動作と穏やかな表情に癒やしを感じる方も多いです。
動物園でも人気を集め一緒に生活したいと考えている方は少なくありません。
眺める生き物という認識が強く持たれているナマケモノです。
しかし、実は個人的にペットとして飼う方法もあります。
ペットとして飼う場合にはショップに行く事になります。
ただし、犬や猫が扱われている一般的なショップでは迎え入れる事ができません。
なぜかというと犬や猫に比べ希少性が高い生き物なので通常のペットショップでは取り扱いされていないからです。
迎え入れるためには希少性が高い生き物を取り扱いしているところで探します。
このため、専門ショップやショップのウェブサイトなどを利用する必要があります。
そのため、最初は取り扱いしているショップを探す事から始める必要があります。
一部の専門ショップのみで取り扱いされているからこそ生態などについて詳しく説明して頂けます。
また、飼い始めた後も様々な事を相談しやすいですね。
これと合わせて一緒に暮らすために要するゲージや食べ物、保険料などを支払います。
そのとき、全てにおいて念頭に置いておくべき事はできるだけ余裕が感じられる大きさのゲージを用意する事です。
用意すべきゲージに関してもショップの方に質問すると各個体に適する的確なアドバイスをして頂けます。
ナマケモノを飼う環境
ナマケモノの飼育環境を整える上でまず大事となってくるのがケージです。
小動物用のゲージでしたら窮屈なので出来るだけ大きいものを用意すると良いでしょう。
ただし基本的にゲージの中で生活するという訳では無いです。
あくまで病院などに移動する際に使うものです。
普段からゲージの中で生活するという事はありません。
そして重要なのがナマケモノがぶら下がり出来る木を用意するという事です。
ある程度太い木でないとぶら下がる事が出来ませんのでそれなりに大きい部屋が必要になります。
木は、大体数本あれば良いとされています。
部屋数にある程度余裕がないとナマケモノを飼うのは難しいかもしれません。
ナマケモノは、元来生まれ育った土地が熱帯林であるが故に気温を30度にし湿度は70%の高温多湿の状態にします。
室温は30℃、湿度は70パーセントと人間が快適に過ごせる環境とは大きく異なる環境となります。
高温多湿にすると部屋やゲージの中にカビが発生しやすくなるので、カビの発生を防ぐべく高い頻度で掃除を行います。
またエアコンと加湿器も必須と言っても良いぐらいです。
ナマケモノの価格は、日本では珍しい動物という事もあり値段は比較的高く、大体60万円から100万円かかります。
同様にペットにできる珍しい動物でナマケモノに比べると少し値段が安いものもいます。
ミーアキャットもその一つでこちらの相場は20万円〜40万円程度となります。
飼育環境を完璧に揃える事も考えるとかなり高額の出費となってしまいます。
一室をナマケモノの部屋にする
最良なのは間取りの一室をナマケモノの部屋にする事です。
なお、この場合も部屋の中には自然環境で暮らしている様子に近付けることです。
太めの木を複数本設置してあげると登って過ごします。
合わせて排出物を出す場所として砂場も欠かさず用意してあげる必要があります。
砂場と同様に欠かせないのが室内の温度と湿度の調整が行えるエアコンと加湿器を設置する事です。
ナマケモノは温度に対して非常に敏感で温度が低いと命を落としてしまう事もある生き物です。
このため、暖かい室内温度と湿度を一定に維持できるようにしましょう。
ナマケモノをペットで飼うとなつく
ナマケモノをペットとして飼ってみたいけど大丈夫なのか?
そもそもナマケモノって飼い主になつくのかと疑問に感じる人もいるかもしれません。
ですが家でペットとして飼う事は十分に可能です。
なつきやすいですし非常に飼いやすいですのでペットとしてはとてもオススメ出来る動物です。
またなつきやすい事から特に海外では人気の高いペットとなります。
例えば抱っこしても嫌がらなかったりします。
むしろナマケモノが赤ちゃんの時は元々母親にぴったりとくっついて過ごす習性があります。
同じように人間に対してもぴったりとくっついてくれます。
抱っこは嫌がらないどころかむしろ喜んでくれると言っても良いです。
また他の動物を飼っていたとしても基本的に仲良くなってくれる事も多いです。
例えば、猫とナマケモノが戯れたり、人間の赤ちゃんと仲良くなったりするという事もあるんです。
ナマケモノの食事は
まず野生のナマケモノの場合の餌となる食事というのは木の芽を始めとして自毛に生えた苔などを食べたりもします。
ナマケモノの食事の基本は草食ですが小さな虫やたまごも食べたりします。
特に野生の場合なんでも食べる雑食といった感じでセクロピアという毒が入った植物も食べる事があります。
野生のナマケモノの場合毒が入った物でも食べます。
その際、解毒の為にエネルギーを使い続けるので長時間寝るとも言われています。
一方でペットとしてナマケモノを飼う場合にあげれば良い餌というのもあります。
特にバナナやリンゴ、キャベツやキュウリ、ニンジンといったもので特にニンジンが好物の場合が多いようです。
ですのでニンジンを中心に与えてあげれば大抵のナマケモノは喜ぶでしょう。
食事(餌)を変える理由と方法
しかし中には購入元で全く別の物を食べ続けていたという事もあります。
確実にナマケモノを喜ばせたいと考えるのでしたら購入元で以前は、何を食べていたかという事を聞く事が大事です。
最初は、購入元で食べていた餌と同じような物を与えつつ、徐々にニンジンなど違う餌も混ぜていく感じにするのも悪くないかもしれません。
その場合は小さく切ってあげてから口に運んであげた方が食べてくれる確率は高いです。
それにより元々食べていた食べ物よりも気に入ってくれるという事も少なくないそうです。
食事の量
ちなみにナマケモノは基礎代謝量が非常に低いという事もあり、わずかな食物だけでも生命活動をする事が出来ます。
ですのでペットとして餌を与える際にも量が必要は無いと言っても良いぐらいです。
1日8gから10gも与えてやれば十分です。
ナマケモノに食事を与える際というのは飼い主から見て本当に少ない量となります。
これだけで足りるのかなとつい多く与えたくなります。
しかしナマケモノにとっては本当に8gから10gで十分です。
それ以上与えてあげるのは止めましょう。
ちなみに水分については食事の際の野菜や果物から取れる水分で十分です。
わざわざ水を用意する必要というのはありません。
ナマケモノの臭い
ペットと人が共存する際にはその臭いも気になるところですね。
ナマケモノについても同様に臭いかどうかが気になるところの一つと言えるのではないでしょうか。
特にナマケモノの場合、毛が全身にふわふわにおおわれています。
もしかしたらこの毛が臭うかもと思ってしまうかもしれません。
ですがペットとして飼うのにはありがたい事にナマケモノには臭いというものがほぼ無いと言っても良いです。
ナマケモノは匂いがしない理由
これは野生の頃からのものです。
臭いを出さない事で様々な捕食動物に気付かれないようにするためだと言われています。
これによりナマケモノは捕食動物から身を守る事が出来るようになっています。
その上でのわずかな匂いを例えるならば洗い立ての洗濯物やスイカの皮といった感じです。
また、赤ちゃんの後頭部を始め沸騰したお湯や切りたての草を全て混ぜたような匂いとも言われています。
とにかく言える事は不快ではない匂いという事です。
むしろ人によっては癒される匂いとも考えられます。
これを知ると、ますますナマケモノに癒されそうですよね。
ナマケモノのトイレの回数が少ない理由
ナマケモノがトイレに行くのは大体7日から10日の間に一回しかしないと言われています。
その時は木から降りてきてその木の根元に排泄をします。
これは元々の野生からの名残であえて危険を冒してまで木から降りてきて排泄するようになっています。
その為になるべく排泄する回数を減らすようになります。
極少ない回数しかしなくなったとも言われています。
ちなみにこの木の上り下りだけでもナマケモノにとっては非常にエネルギーを使います。
野生の場合、排泄は敵にも襲われやすい状況になります。
野生のナマケモノにとってトイレというのはまさに命がけの旅と言えます。
また排泄をしたら地面に埋めるという性質をもともと持っている為、特にトイレトレーニングをする必要はありません。
ですのでトイレ対策と言えば木の根元に砂場を作っておいてあげるぐらいでそもそも用意するものも少ないです。
そういった部分においてもナマケモノは非常に飼いやすい動物と言えます。
ナマケモノの寿命
ナマケモノの寿命というのは、ばらつきがあり野生の場合だと大体20年ぐらいだと言われています。
実際に野生でそこまで生き延びられる事はあまりないです。
というのもナマケモノの場合ゆっくりとした動きしか出来ません。
ナマケモノの天敵
なので天敵であるピューマやジャガー、オオギワシに見つかってしまうとまず捕食されるといっても良いです。
その一方でペットとして飼われたナマケモノというのは平均寿命が30年もあると言われています。
これは、ペットで飼われている犬や猫と同等もしくはそれよりも長生きとなりますね。
そして意外と多いのが餓死です。
というのもナマケモノは熱帯雨林から来た動物ですので部屋の気温は30℃、湿度は70パーセントが理想です。
これを保てなくなると消化器官が正常に働かなくなってしまうんですよね。
そうなってしまうと生命活動するのに必要なエネルギーの生産が間に合わなくなり結果的に満腹の状態であるにも関わらず餓死してしまう事もあるんです。
せっかく大事に育てたナマケモノが満腹であるにも関わらず餓死してしまうのはあまりにも悲しい事です。
そうならない為にも飼う場合にはナマケモノにとってなるべく心地良い環境を整えてあげることが大切です。
こうして一日でも長く一緒に生きられるようにしていきましょう。
結び
ナマケモノの生態や飼うとなつくかなど説明させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
想像していたよりずっと人になついてくれるんだと驚いたのではないでしょうか?
このようにナマケモノって、想像していたよりは飼うのが難しくないと感じませんでしたか?
基本的な、飼育方法と環境さえきちっと守ると飼うことが十分可能な動物です。
ナマケモノってとってもかわいい動物ということがお分かりいただけたでしょうか。
あなたもこの愛くるしい生き物をペットにして飼ってみたくなってきたんではないでしょうか。。