オオカマキリの幼虫は、全国的に、春頃になると孵化をして活動を始めます。成虫になるまでの期間に数度の脱皮を行い、生きた昆虫を捕食しながら大きくなっていきます。
変態の順番には、体色が変化したり生息している地域によって体長の発達具合に変化が見られるといった特徴があります。また、オスやメスによって、体の作りなど生態に違いが見られるのも特徴の一つです。
実際には、どのような昆虫を餌(エサ)として捕食して成長しているのでしょうか。ここでは、オオカマキリの具体的な餌や成長過程などについて詳しく説明していきます。
オオカマキリの幼虫の餌は何
孵化してすぐ、幼虫の時期から肉食として生息しているのが特徴のオオカマキリです。一般的に幼虫の時期から肉食であり、餌(エサ)として共食いをすることも多いと言われているのです。
そのため、同じ種類のカマキリなど共食いをすることも珍しいことではありません。このように共食いが日常的なことです。
オオカマキリが孵化してから成虫にまで生き延びるのは、わずか2、3匹とも言われているのです。
他にも成虫になるまでには、バッタなど生きた昆虫を捕食しながら成長していきます。成虫になるまでに何度も脱皮を繰り返して体長が大きくなっていきます。
この成長具合に応じて、小さな昆虫から大きな昆虫など食べる虫の大きさなどが変化していくのです。肉食であるオオカマキリが成虫になると、アゲハチョウやトンボなど大きな昆虫を食べるようになります。
時には、アマガエルやトカゲ、スズメなどの小型鳥類まで食べてしまうのです。これまでに、ネズミなどの小型哺乳類までも捕食したと言われています。
成虫との餌の違いは、このように鳥類や哺乳類までも捕食してしまうところではないでしょうか。しかしカラスやキツネ、ヘビなどはオオカマキリを捕食する生物なので、天敵と言われています。
一般的に家庭でオオカマキリを飼育する場合、幼虫の餌(エサ)として何を食べるのか、何を与えたら良いのかが難しくなります。
家庭で飼育する場合も同様に昆虫を与えてあげると良いでしょう。しかし、近所から昆虫を捕まえてくることが難しい場合もあります。その場合は、餌(エサ)として販売されているバッタやコオロギを与えてあげます。
最近はこのように餌(エサ)が市販で売られています。手に入りやすくなっているので、肉食の昆虫を飼育するのも難しくはありません。
餌(エサ)を食べる頻度は、飼育する場合は1日に1度昆虫を1匹与える程度で十分と言われています。肉食であるため、生きているものしか食べないという性質を持っています。
動いている昆虫に反応するので、飼育をする際には、カマキリが反応するように餌を動かしてあげると良いです。他にも、カマキリは水分もしっかりと補給している昆虫です。
捕食した生き物や生息している場所にある水滴や雨など、様々なところから水分を摂取しています。家庭で飼育する場合は、こまめに水分補給をさせなければなりません。
虫カゴの中に霧吹きで水場を作ったり、水を湿らせたティッシュやガーゼなどを入れる必要があります。
カマキリは近くにある水滴を口に含んで、こまめに水分補給をしているのです。このように、小さな体で大きな虫を食べて成長していく逞しい(たくましい)昆虫と言えます。
オオカマキリが幼虫から成虫になるまでの期間と変態の順番
オオカマキリは、本州や四国、九州などに生息している昆虫です。九州では3月頃、本州では4月頃に孵化をし活動を始めます。この孵化の際には約200匹程の幼虫が、前幼虫という状態で誕生していくのです。
生まれてすぐに脱皮を行い、そこから一般的によく見られるカマキリの形へと変化を遂げます。
だいたい5月から8月の時期に、幼虫として活動が始まると言われているのです。幼虫から成虫になる期間は、7月の下旬から10月ごろまでが一般的でしょう。変態する順番の工程としては、幼虫から成虫の間に何度も繰り返し脱皮を行います。
そして肉食として数種類の昆虫を捕食しながら大きくなっていくのです。このような工程を繰り返し日本最大級のオオカマキリへと成長します。
オオカマキリの大きさと生態
成虫になると、体長はオスで68~92センチ、メスで77~105センチまで成長していきます。長命なカマキリであれば、12月くらいまで生息していることも珍しくはありません。
この大きさですが九州など南方へ行くほど、大型化している傾向があると言われています。このように、オオカマキリはオスよりもメスの方が体が大きいのが特徴です。
またオスはメスに比べて痩せ型で、体の色合いが茶色く翅(はね)が薄緑色になっています。一方でメスは体が大きく、体色の全てが緑色もしくは茶色をしています。
またメスは他にも茶色の体色と緑色の翅が混ざるといった様々なケースがあるのも特徴です。さらに、オオカマキリのメスのお尻には縞模様のひげが2本あり、オスにはそれに加えて2本の短いひげもあります。
このようにオスとメスで体色や大きさに違いが見られます。他にもメスは卵を腹部に抱えるため、容易に見分けることが可能です。
オスは身軽で飛翔行動をしますが、メスは飛翔せずに翅を広げて外敵への威嚇行動に使用します。このように細身で身軽なオスのカマキリは、メスを探して徘徊しながら目的の場所へと飛んでいくのが特徴的です。
飛び回ることが多いオスは、メスに比べて活発な捕食行動は見られません。オオカマキリはそこまで縄張りが広くなく、1箇所に定着することが多いカマキリです。
採取の際は田畑や草地などで見つけることができるでしょう。田畑では、畑を食い荒らすイナゴやバッタ、カメムシなども生息しています。
オオカマキリはこれらの虫を捕食するので、田畑を守る人間にとっては益虫とされています。このことから、ガーデニングの害虫駆除の一環としてカマキリを放し飼いにしていることも珍しくはありません。
一方でミツバチを捕食することもあるこのカマキリは、養蜂家にとって害虫とされているケースもあるようです。
オオカマキリが卵を産む場所や時期と特徴
卵を持ったオオカマキリのメスは、秋頃になると約200個程の卵が入った泡状の塊を産みつけます。時期としては、だいたい10月前後と言われています。
産む場所は植物の枝が主で、泡状の塊(かたまり)は1つだけではなく様々な場所に分けて産みつけていくのが特徴です。
この泡状の塊は卵鞘(らんしょう)と呼ばれ、これに包まれた卵は寒さや乾燥に耐えることができます。他にも、これらを食い荒らす虫などの天敵から守る対処とも言われています。さらには水の中や雪の中に入っていても、孵化をすることができるのです。
このように、保温性や耐衝撃性、防寒性に優れているのがカマキリの卵の特徴です。ここからまた新しいオオカマキリの幼虫が成長を遂げて成虫となります。これが常に繰り返されて、オオカマキリは絶えず生息を続けているのです。
秋頃から春先にかけて、草原などで枝についた泡状の塊を見たことがある人も多いのではないでしょうか。このカマキリの卵は、オオカマキリに限らず様々なカマキリがこのような状態で孵化を待っています。
そのため泡状の塊を見ただけでは、何の種類のカマキリであるかを見分けるのは難しいでしょう。
しかしオオカマキリは日本最大のカマキリと言われているだけあって、卵鞘のサイズも大きいのが特徴です。
普通のカマキリのものと比べると、何倍も大きく見分けがつきやすくなります。また塊自体の形状が丸っぽく、ススキの木などに産み付けることが多いです。
このような特徴があることから、オオカマキリと見分けることが可能になるかもしれません。しかし、カマキリの体色などの見分けをつけることは難しいでしょう。
メスのカマキリは木の枝など数カ所に分けて産みつけを行なっていき、全てが終わると急激に腹部が小さくなります。
これが済み、冬前くらいには最期を迎えます。早ければ、産みつけを完了させた秋にはその時期を迎えることも珍しくはありません。
このような過程は、オオカマキリに限らず他のカマキリも同様です。オスメス共に春に孵化をして、遅くともその年の冬には最期を迎えることになるでしょう。
その短い期間の中で成長を続け、日本最大級の大きなカマキリになっていくのです。そして、しっかりと次の命へとつなげていきます。
稀に産みつけ前のメスのカマキリが、オスを捕食してしまうケースあります。自然界においては、必ずしも発生する事態ではありません。虫カゴなどに入れて飼育する場合に起こると考えられている事態なのです。
メスはオスに比べて捕食活動が活発と言われています。このような状態の中でオスは逃げ場を失ってしまい、これが原因でメスがオスを捕食してしまうのです。
そのため、虫カゴなどでオスとメスを一緒に飼育する場合は、産みつけ前などは特に十分な注意が必要となるでしょう。
またメスのカマキリは、オスに限らず同種のメスも獲物と認識して争いを始めます。メスの飼育は、産みつけなどの時期に限らずオスに比べて注意しなくてはなりません。
結び
オオカマキリの幼虫の餌(エサ)は何かについての記事はいかがでしたでしょうか?また、成虫になるまでの期間と変態の工程についてもお役に立てると嬉しいです。
この章では、ここまでの要約を載せていきますね。オオカマキリは幼虫の時期から肉食であり、成長に合わせて捕食をする昆虫を変えていることがわかりました。
成虫になるまでの期間は、孵化してから早くて1ヶ月程度です。春に孵化をして活動を始め、秋から冬ごろになるとメスは卵を産みつけます。
長くても、このカマキリは冬に最期を迎えてしまいます。変態の工程の特徴としては、捕食をしながら何度も脱皮を繰り返します。
そして、日本最大級のカマキリとして大きく成長をしていくのです。オオカマキリと言われているだけあり、カエルや鳥類などを餌(エサ)として捕食してしまうのが大きな特徴ではないでしょうか。
また産みつける卵の大きさも特徴の一つです。飼育をする際には、同種を餌(エサ)として捕食してしまう危険性もあるので注意が必要です。餌の上げ方や水分などにも注意が必要です。
最近では餌となる昆虫が市販されているので便利と言えます。同種の捕食などが行われないように注意さえすれば、家庭での飼育も難しくはないでしょう。
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