五人囃子(ごにんばやし)と言えば、ひな祭りの歌にも登場する有名な五人組ですよね。

 

 

お雛様とお内裏様は良く知っているけれど、一体どんな姿をしているのか思い浮かばないという人も多いのではないでしょうか。

 

核家族や家が小さくなってきていることもあり、現代ではコンパクトなひな人形が主流となりつつありますね。

 

ですが、三段目まであるひな人形だと五人囃子が加わるので一気に十体の人形に増えてにぎやかで華やかな飾りが出来上がります。

 

今日はこの五人囃子についてその楽器の種類や役割、並び順などについて詳しく紹介していきますね。

 

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五人囃子の楽器の種類と役割

五人囃子(ごにんばやし)とは、その正体は、元服前の少年たちで成り立っています。

 

現代では元服と言われてもピンと来ないかもしれないですが、元服は男子が成人し髪形や服装を改め初めて冠をつける儀式のことです。

 

五人囃子

 

江戸時代の武家社会では元服をもって成人とされていました。

 

行う年齢は決まっていなかったようですがだいたい12歳から16歳で元服する説が多いです。

 

なぜ元服する前の少年かわかるかというと、その髪型と服装からです。

 

元服の儀式をする前は髪の毛を結ばないのが基本です。

 

五人囃子の人形たちはどれもおかっぱをしていて髪の毛を結んでいないことが多いからです。

 

では五人囃子について詳しく説明していきましょう。

 

そもそも五人囃子とは雛飾り(ひなかざり)の三段目に置かれる楽器を持った人形のことです。

 

 

それぞれが違う種類のものをもって演奏することで、場の雰囲気を楽しくしているのですね。

 

登場する楽器は全部で4つの種類があり、太鼓大鼓小鼓です。

 

5人いるのになぜ4つしかないかというと、もう1人は(うたい)の役割をしているからです。

 

については、後の章で詳しく紹介していきますね。

太鼓(たいこ)の楽器の種類と役割

太鼓はいわゆる締太鼓というものです。

 

張った皮を緒で胴に固定して張りを強めたり弱めたりすることで調子を合わせる太鼓のことです。

 

大鼓は演奏手前に炭火で乾燥させた皮を胴の部分にかけて緒で締め上げたもので、甲高い音を出します。

大皮鼓(おおかわつづみ)

大皮鼓は、左手で楽器を持ち左ひざにのせ右手で打ちながら掛け声の役割もします。

小鼓(こつづみ)の楽器の種類と役割

小鼓は肩に担いで叩くタイプで、楽器の材質や構造は大鼓と同じです。

 

大鼓より一回り小さいのが小鼓ですポンっと柔らかい音を出します。

笛(ふえ)の楽器の種類と役割

笛は竹から作られた楽器で音階も作れ、音程はかなり高い部分も出せるようです。

 

裏返した竹に漆を塗ってあり、指を入れる穴の部分には桜の表皮を薄くしたものが巻き付けられています。

楽器の種類と役割のまとめ

 

このように能楽の音楽を担当しているのがこの5人で、元服前の少年たち5人ではやしているのですね。

 

お内裏様とお雛様の晴れの日である結婚式のために、楽器を奏でて祝ってくれているのです。

 

古く昔には結婚式のためにこういった元服前の少年が練習していたのですね。

 

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五人囃子の並び順と飾り方

ひな人形を飾るときありがちなのがその位置ですね。

 

「この人形はどこに置いたらいいんだっけ?」「何をどの手に持たせるのだったっけ?」と迷うことです。

 

このように飾り方や並び順が毎年分からなくなってしまうパターンですね。

 

 

ひな人形は大切な我が子のためにきちんと飾ってあげたいと思うのが親心です。

 

1年に1回限りの登場なのでその配置や持ち物について分からなくなってしまいますよね。

 

特に五人囃子は横に一列似ている顔が並びます。

 

そのため、なかなか覚えられなくて困っているという人も多いのではないでしょうか。

 

そんな人に耳寄り情報なのが、右から左に向かって音が大きくなっていくと覚えると少し分かりやすいのではないでしょうか。

 

その理由は江戸時代の能楽から来ています。

 

 

右から順番になにも楽器を持たない謡、笛を持つ人に続いて小鼓、大鼓、そして最後に一番音の大きい太鼓と並びます。

 

謡→笛→小鼓→大鼓→太鼓の順となります。

 

音の大きさの順番に並んでいるので一度覚えてしまえば簡単ですよね。

 

しかし、五人囃子の並び方が分かっていても、それぞれ楽器の持ち方に決まりがあるのでまた迷ってしまいます。

 

それぞれの人形は、担当している楽器が持ちやすいように作られているので、その持ち方も覚えておきましょう。

 

 

ではまず謡の役割をしている一番右側の少年です。

 

ここは、謡なので楽器は何も持っていないから手ぶらでいいのかと思ったらそうではない場合が多いです。

謡い(うたい)手の並び順と飾り方

いちばん右側の謡の担当には飾るときには右手に扇を持たせてあげましょう。

 

ひな人形の種類によっては、扇がついておらず何も持たせないという場合もあります。

 

右手に扇を持たせて座ったままの姿勢で演奏に参加しています。

笛(ふえ)の並び順と飾り方

次に右から2番目に来る人形にはを持たせましょう。

 

 

唯一メロディーを奏でる笛は演奏しやすいように笛を横向きにして左右両方の手の上に置いてあげます。

 

現代におけるフルートのようなイメージで置くと分かりやすいのではないでしょうか。

小鼓(こつづみ)の並び順と飾り方

それから真ん中には小鼓を持った人形が来ます。

 

飾るときには右の手のひらを上に向けている人形を使います。

 

 

左手に小鼓を持たせてそのまま左側に紐をかけましょう。

 

左手で調緒(しらべお)を持ち、右手で打って音を出すというイメージです。

大皮鼓(おおかわつづみ)の並び順と飾り方

次に右から4番目に来るのが大鼓を持った人形です。

 

 

左手で持って左膝に鼓を置き、右手で打って音を出し、さらに途中で掛け声も担当するのがこの人形です。

 

右の手のひらが横向きの人形に楽器を持たせて左手に紐をかけてあげましょう。

太鼓(たいこ)の並び順と飾り方

最後が右から5番目、つまり一番左側に来る太鼓を持った人形です。

 

 

この人形には、左右の手にバチを持たせて前に太鼓を置いてあげましょう。

 

五人囃子で持ち物が無い人形がいる理由

五人囃子はお内裏様(おだいりさま)とお雛様(おひなさま)の結婚式の時に楽器を使って音楽を奏でます。

 

 

こうして、結婚を祝福したり場の雰囲気を楽しくさせるといった役割を担っているということが分かりました。

 

楽器で祝福しているはずなのに、よく見ると楽器を持っていない人形が1体いることに気づくでしょう。

 

なぜこの人形だけ楽器を持っていないのか疑問に思ったことはありませんか?

 

もしかして毎年飾っているから持っているはずの楽器をなくしてしまったのではないか。

 

そう思い、箱の中やら他の人形の場所やらを探してしまったという経験を持っている人もいるかもしれませんね。

 

実は持ち物(楽器)が何も無い人形がいることには理由があるのです。

 

厳密には何も持っていないのではなく右手に扇子を持っています。

 

 

五人囃子は平安時代から続いている能楽の音楽を担当しています。

 

そもそも能楽とは、源流をさかのぼると奈良時代までさかのぼります。

 

器楽や歌謡、舞踏や物真似、曲芸や奇術などのバラエティーに富んだその芸は昔から人々に愛されてきました。

 

このように室町時代や江戸時代には将軍から支援も受けて広く愛されるようになっています。

 

しかし明治時代になるとこのような支援者を失い、能楽の勢いは失墜してしまいました。

 

ですが、外国からの芸術保護政策の影響を受けて日本でも国家の伝統芸能の必要性を感じてきます。

 

このため、政府や皇室による支援を受けて能楽はまた広まることになり現代にいたります。

 

 

能楽の特徴は作りがとてもシンプルなところです。

 

演じられる舞台には他にみられる大掛かりなセットや小道具が置かれているわけではありません。

 

歌のパートを担当する謡(うたい)や楽器を担当する囃子方(はやしかた)も演者と同じように舞台の上に位置しています。

 

このように極力簡単な舞台で演者たちによる余計なもののない舞いや謡と囃子によって楽しむのが特徴です。

 

能楽は3つの役割に分かれていて謡と演技を担当するシテ方とワキ方と狂言方に分かれています。

 

五人囃子の謡はこのシテ方にあたります。

 

 

能の声楽部分である謡の役割を担う重要な役目を担っているのが、この一番右側にいる少年ということになります。

 

主役ともいえるシテ方はわき役からバックコーラスまで感情を上手に挿入して自由に謡います。

 

右手に持っているにも役割があり、謡うときには扇を構えて、休みの時には扇を下ろします。

 

 

ただ謡うだけではなく扇の使い方も演じ方の重要なポイントとして扱われているのです。

 

このように持ち物がないからと言ってあまり役割がない人形なのかなと思われがちです。

 

しかし、実は主役に値する役割を担っていたなんて少し驚きですよね。

 

五人囃子とお雛様の関係

毎年春になると何気なく飾っているひな人形。

 

女の子にとっては人形がかわいらしくて装飾も華やかですね。

 

飾ってもらえるとすごくうれしくと何度も見に行っていた記憶があります。

 

ひな人形の中で特に豪華絢爛(ごうかけんらん)で目が行きがちなのがもちろんお雛様ですよね。

 

 

今では核家族が増えたりアパートやマンションなどといった小さい住宅に住んだりといった家族の形が増えてきています。

 

そのため、ひな人形も昔のように大きな7段などのような豪華なものではなかったです。

 

2段や3段、もしくはお内裏様とお雛様だけといったシンプルなひな人形が主流になってきているようですね。

 

ですが、3段や5段、7段といったひな人形には、お雛様お内裏様、それから三人官女、3段目には五人囃子が登場します。

 

右大臣、左大臣などを差し置いて3段目に位置するとは何か関係があるのでしょうか。

 

 

この五人囃子は先ほど説明したように元服前の少年たちによって構成されています。

 

お雛様に対して、結婚するお祝いの席で楽器を演奏することで祝いの気持ちを表しています。

 

お内裏様や他の関係者も出席する中で楽器を演奏する大事な役割を担っています。

 

この日のために一生懸命練習してきたのではないでしょうか。

 

元服前とはいえ、えらい方も見えるので自分の今後の出世にもかかわる大事な場面、いつの時代も似たようなものですね。

 

 

物心がつき始めたころから練習に励んできた成果を発揮する大事な日、見事な演奏をしてくれるのではないでしょうか。

 

では、お内裏様とお雛様、それから五人囃子の他には何がひな人形として置かれるのでしょうか。

 

2段目には三人官女が置かれ、座っている官女を真ん中に置き、両サイドに立っている官女を置くのが基本です。

 

 

なお、稀に置き順が違う場合もあります。

 

真ん中の官女が三方、向かって右の官女が長柄銚子(ながえのちょうし)、向かって左側の官女が加銚子(くわえのちょうし)を持っています。

 

 

そして3段目が五人囃子でした。

 

左へ行くほど音が大きくなっていく順番でしたね。

 

4段目には随身の一対を並べます。

 

これは、右大臣左大臣のことで、左大臣の方が身分が高いので老人、そして右大臣が若者の姿をしています。

 

左手に弓、右手に矢を持ちます。

 

5段目には仕丁の3人を並べ、泣いた顔と笑った顔、怒った顔の3つの表情をしていていることが多いので、三人上戸とも呼ばれます。

 

仕丁は御所の雑用を行ってくれる役割があります。

 

6段目には雛道具7段目にはかごと重箱、御所車を置いて完成です。

結び

五人囃子の楽器の種類と役割についての記事はいかがでしたでしょうか。

 

並び順や飾り方と持ち物が無い人形がいる理由についてもお役に立てたでしょうか?

 

この章では、これらのまとめた要約を載せていきますので活用していただければと思います。

 

ひな人形の3段目に位置する五人囃子、ひなまつりの歌にも登場するので有名なのではないでしょうか。

 

 

そんな五人囃子は結婚式を行うお内裏様とお雛様にお祝いとして能楽の音楽を担当してくれていたのですね。

 

最近では小さいひな人形やシンプルなものが主流になってきています。

 

そのため、3段目までないからそこまで人形がいないという家庭も多いようです。

 

しかし、五人囃子にもきちんと役割があるのでできれば用意してあげたいところですね。

 

五人囃子は、元服する前の少年たちで構成されていて、持っている道具の種類はそれぞれ違っています。

 

右から順番に謡と呼ばれる謡う役割を持っている少年から始まり、小鼓大鼓太鼓と並んでいます。

 

楽器がいろいろあって並順が覚えにくいという人も多いです。

 

右から順番に音が大きくなっていくと覚えれば迷わずに済むかもしれませんね。

 

飾り方も人形それぞれに細かい小道具を持たせる必要があるので分かりづらい部分もあります。

 

それぞれが持っている楽器について知ると演奏しやすい持ち方で作られているので持たせやすくなるでしょう。

 

謡の役割の人形は謡うことで祝っているので楽器は持っておらず、扇を使って能楽を表現しています。

 

5人で練習の成果を晴れの舞台で演奏していると思うととてもかわいらしいですね。

 

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