セル画とデジタル画の違いってお分かりでしょうか?

 

セル画とデジタル画は、アニメーションにおける作画方法の違いで、後者は前者の流れを汲むものです。

 

しかしTV(テレビ)の放映時に違いとなって現れますから、違いを比較して理解しておくと見分けがつくようになります。

 

セル画とデジタル画のTVの見分け方が分かればアニメの楽しみ方が広がるので、覚えておいて損はないといえるでしょう。

 

技術革新や時代の変化で必然的に手塗りの作画は減っています。

 

だからこそ昔の作品の味を再評価したり、現代の作品と比較して楽しむことができますね。

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セル画とデジタル画の違いを比較

 

セル画とデジタル画の違いを比較すると、セル画はアニメーターが紙に鉛筆で線を書き、透明のセル画に線をコピーします。

 

これを裏から色を塗っていくのが特徴となります。

 

順番に1コマずつカメラで撮影していくと、最終的に動きのあるアニメーションが完成です。

 

手作業が多いのでとても手間が掛かりますが、人の手で書かれる線や色のムラが味として作画に現れます。

 

デジタル画の場合は、最初に鉛筆で線を書く点こそ共通です。

 

 

しかし、それ以降はスキャナーでデジタル化したり、パソコン上で着色するなどの作業を行います。

 

大部分がコンピュータによる編集作業です。

 

なので、手描きの良さが控えめになったり、ムラの少ないクッキリとした作画になりやすい傾向にあります。

 

従来のセル画に慣れ親しんでいる人からすると、全体的にシャープなデジタル画は違和感を覚えることがあります。

 

ただ、デジタル画は作業効率が良いので、アニメーション制作の現場にとってはなくてはならないものです。

 

限られた予算と人員で納期に間に合わせる必要がありますから、効率化に役立つ技術を導入しない手はないわけです。

 

近年はCGも積極的に採り入れられるようになり、手作業が中心だった時代とはかなり変わりました。

セル画の特徴や歴史

 

セル画のセルは透明なセルロイドが名前の由来です。

 

これはデジタル画が主流になった後も、手描き作画や編集が行われる部分をセルと呼びます。

 

透明なシートを使う理由は、キャラクターとその背景を分けて描いたり、重ね合わせて動きのある部分だけを差し替えられることにあります。

 

デジタル画でも、いわゆるレイヤーで同様の機能が実現しています。

 

このように一見して異なる技術のように見えて実は似ているところが多いです。

 

手描きで作画する技法の歴史は、アニメーションの技術が確立され始めた、1900年代前半に遡り(さかのぼり)ます。

 

世界で初めてとされる作品は、既に透明のシートをキャラクター背景で分け、それぞれ別に動かす技法が使用されていました。

 

 

つまり、セル画は技法が誕生した時にはもう、基本的な作画方法が確立されていたといえますね。

 

合理的な技法はアメリカを中心に広まり、日本では1927年に影絵アニメで初めてセル画が使用されました。

 

しかしアメリカと比べて予算が限られる日本のアニメスタジオでは、普及そのものが遅れたのも事実です。

 

透明素材のセルロイドは、熱に弱く発火する恐れがあり、1950年代にはアセテート繊維に切り替えられています。

 

アセテート繊維はコストの低さも相まって、1980年代以降に急速に広まり定着しました。

 

ただし、手描きはやり直しが難しく、塗料の乾燥を待たなければいけないなど、コスト面の問題があります。

デジタル画の特徴や歴史

デジタル画の特徴

 

デジタル画は、コンピュータの誕生や進化に合わせて、1990年代以降に急速に発展しています。

 

セル画用のシート生産中止や、専用塗料の調達問題など、これらの要因もあって移行が後押しされています。

 

コスト削減のメリットも無視できませんし、画像処理で後から特殊効果を加えやすい点も、移行の切っ掛けになったといえるでしょう。

 

実は、デジタル画の歴史を遡ると原型となる技術は1960年代後半に存在していました。

 

また、3DCGに通じるワイヤーフレームのアニメーションも制作されています。

 

日本の制作現場において、デジタル画の技術導入の話が出たのは、1970年代~1980年代のことです。

 

コスト削減を目的に導入検討された事例はありますが、ハードウェアやソフトウェア導入の莫大なコストを理由にこのときには断念されています。

 

そのため、セル画からの置き換えが現実化したのは、マイクロプロセッサが安価に大量生産が可能になった1980年代以降です。

 

更に3DCG導入の流れが加速したのは2000年代に入ってからで、現在は手描き中心からコンピュータ作画に置き換えられました。

 

デジタルも3Dだとレンダリングに時間やコストを要するので、どちらも一長一短です。

 

一長一短なのは作画の魅力も同様で、単純に優劣をつけることは不可能でしょう。

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セル画とデジタル画の違いのTV(テレビ)での見分け方

 

セル画とデジタル画の違いは、原画を見なくてもTV(テレビ)で見分けることができます。

 

一番の違いは色数の多い少ないで、セル画は塗料で色を塗っていたことから、使える色に制限がありました。

 

つまり、同じ作画を比較して色の数が多く感じられれば、そちらがデジタル画ということになります。

 

具体的には、原色が強く感じられる、発色がより良ければデジタル作画の可能性が高いといえます。

 

セル画は全体的に淡い色合いで、現代の作画に慣れているとややぼやけて見えます。

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その為、時代を感じさせる側面もありますが、逆に味わいを生んでいる要素でもありますね。

 

デジタル画の方がシャープなので、一見するとこちらの方が洗練された印象ですが、発色が良過ぎることで安っぽく見えることもあります。

 

 

見分け方は他にも、線の流れが自然で手描きを思わせるか、コンピュータで編集したように見えるかというポイントがあります。

 

セル画は線も色も手作業なので、柔らかいタッチが感じられたり、より自然な印象を与えます。

 

セル画はブラウン管TV(テレビ)時代に発展した技術ですから、液晶TV(テレビ)と比べて相性が良いはずです。

 

このようにブラウン管特有のボケ味と合わせて、セル画は独特な味わい深さを見せます。

 

画面の縦横の比率の違いも、見分け方のポイントではありますが、これは過渡期(かとき)だと入り混じっているので、絶対的な判定基準にはならないです。

 

線といえば、デジタル画は解像度が高く細身になるので、絵として見れば綺麗ですが、時に冷たく感じることもあります。

 

 

手描きは確かに線が太く粗い部分も存在します。

 

そこがデジタルが主流になって失われたところで、勢いのある作画が難しくなりました。

 

このように、デジタル画は全体的に綺麗で綺麗過ぎることすらあります。

 

発色と共に粗さという見分け方の基準を用いると、TV(テレビ)で見分けられるでしょう。

 

技術的な違いが分からない人でも、何となく奥行きや表現のコントラストの違いに気がつけると思われます。

 

 

セル画は線の太さが一定ではないので、この微妙な太さが奥行き感を生んでいるのではと私は感じます。

 

作画が単調になりにくいので、線が少なくても1コマに情報量が感じられたり、想像を掻き立てる切っ掛けが与えられますね。

 

線が細く揃っていて均質な現在の作画は、線の数が多くて想像の余地が少なく、あまり意識せずに見てしまうことがあるでしょう。

 

そういうところもTV(テレビ)で見分けられるはずですから、アニメを見る時に意識してみることをおすすめします。

 

セル画は復活するか無くなるか?

 

セル画は復活するかという疑問は、デジタル画が主流になってから繰り返し議題にあがるテーマです。

 

完全に無くなることはないとしても、今後は技法が使われる機会は大幅に減り、技術を持つ人も減少すると考えられます。

 

理由はいくつかありますが、1つは技術的に完成されていて、発展の余地が殆どないことが挙げられます。

 

制約が多かった時代の技法ですから、当時の制作者達の工夫によって発展してきました。

 

ところが、それも長い歴史の中で工夫の余地が減り、やがて効率が重視される時代においてデジタル画が登場しています。

 

このデジタル画はセルや塗料が不要です。

 

また、やり直しの利くコンピュータで編集できることから、コストを削減したいアニメ業界の思惑と合致しました。

 

 

つまりコスト的な理由でセル画が復活する可能性は極めて低く、コストこそが妨げの原因となります。

 

デジタル画の時代が進めば進むほど、過去の技術は失われていきますから、将来的には今以上に復活が難しくなるでしょう。

 

セル画を復活させたり、デジタル画全盛の時代に生き残る為には、革新的な技術が生まれるか、セル画でしか表現できないものが存在する必要があります。

 

既に手描きの需要は大幅に減っていて、セルのシートも塗料も生産する企業が限られています。

 

なので、ビジネス的に、懐かしさを売りにした作品であれば、部分的に技術が蘇ることはあるでしょう。

 

それでも主役の座を取り戻すことはないと思われるので、いずれ過去の作品で使われた技術という位置づけになります。

 

デジタル画の移行率はほぼ100%でしょうね。

 

 

デジタル作画と比べてコスト、技術的な優位性はあまりなく、ここは比べるまでもないです。

 

復活を望む声の多くは、当時の味わい深い作画の魅力を知っていて、デジタル画に馴染めない人が大半です。

 

手描きは線からして魅力がありますし、かつて主流だった技法で私も大好きです。

 

セル画のファンも多く新作を見たいという気持ちも分からなくはないです。

 

ただ、残念なことにセル画は1コマあたりのコストが高く、作業に時間が掛かることもあって、必要になる人員が増えます。

 

人件費が増えて更にコストが嵩みますし、ミスが発覚すると部分的な差し替えが難しく作り直しが必要になります。

 

コスト的な問題はかなり大きく、これが今後技術が失われて無くなったり、もう昔のような手描きの時代には戻らない一番の原因でもあります。

 

より現実的で可能性があるとしたら、それはデジタル画を昔の作画に寄せていく方向性です。

 

このやり方ならコストの問題は殆ど無視できますし、技術を残していける可能性に繋がります。

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まとめ

 

セル画とデジタル画の違いを比較?TVでの見分け方も解説!のまとめです。

 

セル画とデジタル画の違いは、発色や色のムラに線の太さと、これらが生む奥行き感や情報量といった差に結びつきます。

 

TVでの見分け方は、同一シーンのセル画とデジタル画を並べて、発色の強さや色数の多さ、線の太さの安定性といった基準で比較することです。

 

いずれか1つだけだと、発色の違いを見分けることは難しく、判定を間違えてしまう恐れがあります。

 

違いを比較して初めて差に気がつけますし、経験を積むことで1コマで見分けられるようになるでしょう。

 

今後復活・無くなるかについては、コストがネックとなって、使用される機会は減っていきます。

 

現状でも手描きは少なくなっています。

 

もう時代はコンピュータ作画全盛で、コストに見合わない技法は残念なことですが廃れていくと思われます。

 

長寿の国民的アニメですら今やデジタルなので、復活の可能性に期待するのは難しいでしょう。