忘年会のほんとうの意味ってあなたはご存知でしょうか?
これは、日本人には欠かせない年中行事のひとつと言っても過言ではない風習ですね。このように世間に浸透しているのが忘年会です。
しかし、その正しい意味や由来、目的となるとよくわからないことも多々あります。
また、いつ頃から始めると良いのかその時期なども気になります。
そんな忘年会について詳しく紹介していきますね。
忘年会の意味
書いて字のごとく年を忘れる会と書いて忘年会です。
その後1年にあった苦労や嫌なことをすっきりと忘れるための宴会だと思って、間違いないでしょう。
これには、特に宗教的な意味合いなどもありませんね。
ですが、忘年会が行われているのは、日本や台湾や中国などのアジア圏だけです。
英語文化圏のアメリカなどでは、このような習慣はありません。
アメリカ人から見れば、「日本人は何かにつけ、何らかの理由をこじつけて、宴会を開いてバカ騒ぎをしたがる」もしかしたらこう思われているかもしれませんね。
確かに、近年は何かにつけて美味しい物を食べに行こうとする傾向があるようです。
女子会だの飲み会だのママ友の食事会など、○○会が好きな人が多いようです。
それは今の世知辛い時代、美味しい物を食べて飲んで嫌なことやしんどいことは気にしない。
こう考えていかないと、やっていけない時代になっているということの表れかもしれません。
昔と比べるとストレスの多い時代と言えるのでしょう。
ストレスには、意識はしていないタイプのものと自分でもはっきりと意識できるストレスがあります。
意識している場合は、そのことで心身ともにしんどく辛いです。
自分でも「ああ、最近何だかものすごくストレスが溜まっているなあ」と感じる。
このようなストレスを発散するためには、1回につきおよそ5000円を消費しているという研究発表があります。
服を買うなどの衝動買いになる人もいますが、多くの人は飲食に費やすようです。
女子会にしろお食事会にしろ、飲んで食べてストレスを発散させための宴です。
「最近何等だかつらそうだね。こんな時は飲みに行こうよ」などと誘われることもあるでしょう。
この場合は1年間の嫌なことを忘れるのではなく、この1か月ほどの間や1週間の嫌なことや今日一日の嫌なことをわすれるための宴であったりします。
忘年会は、この1年間の嫌なことを忘れるための宴会です。
いわば、最後の最後に内輪だけではなく、みんなでちょっと大規模に盛大に飲んだり食べたりしましょうということです。
このときばかりは、いつもよりも参加人数も多いことでしょう。
「来年も元気でお互いに助け合っていきましょうね、来年もよろしくお願いします。」というのが忘年会です。
忘年会の由来
忘年会の由来や起源はまだはっきりとは判っていませんが、いくつかの説があります。
一説によると、江戸時代に庶民の間では既に今の忘年会と同じような感じの宴会が行われていたそうです。
ただし、年末ではなく年が明けてから行われていたので、新年会と言うのが妥当でしょう。
今のように年末に行われるようになったのは、明治時代だと言われています。
このころは、官僚や学生たちが年末に宴会を開いていました。
明治時代に流行った牛鍋は、そのころの忘年会メニューだったという説もあります。
官僚はこの時期にボーナスが支給されます。
たまには美味しい物を食べて嫌なことは忘れられるように日ごろのうっぷんを晴らそうとしたのでしょう。
学生は生まれ故郷に帰省するので、久しぶりに会う友達との宴会になったと考えられます。
また、鎌倉時代に年末になると、自分が作った和歌をみんなの前で歌うという年忘れの行事がありました。
この行事が少しずつ時代に合わせて変化していって、今のような宴会になったのだという説もあります。
誰もが「今の時代はなにかと大変だ」と思っているでしょう。
しかし昔は昔で、現代人には分からない色々な苦労もあったと思われます。
今でこそ、パワハラという言葉で守られるようになってきました。
昔は、男尊女卑だったり、上司がカラスが白いと言ったら「はい、そうですね」こう言わなければならないことも多々あった時代です。
女子社員だけが掃除をしたりお茶当番が有ったりするのも、当たり前の時代でした。
上司が部下の頭を叩くくらいのことは、普通にありました。
生まれ故郷を出て都会で働く若い子たちは、色々なことを我慢して丁稚奉公(でっちぼうこう)と言う感じで働いてたことでしょう。
朝早くから夜遅くまで、奴隷のように働いている若者も多かったです。
今のようにカラオケ店も無ければ夜遅くまで営業しているファミレスやカフェなどもない時代です。
このため、ストレスを解消する方法も少なかったと思います。
ゴールデンウイークや秋の大型連休もなく、帰省できるのは年末だけでした。
そんな若者たちが、1年に1回は友達や家族と過ごす日でした。
「色々とつらかっただろう、美味しい物を食べたら嫌なことも忘れてきっと元気になれるよ」とご馳走を並べたようです。
忘年会の目的
会社で行われる忘年会は、社員の労をねぎらうことが目的です。
上司は部下に「この1年間、お疲れさまでした。
いろいろと助けてくれてありがとう。本当に助かったよ」などと挨拶をします。
朝令暮改(ちょうれいぼかい)の相次ぐ指示の変更や自分の判断遅れなどで、部下にしんどい想いの1つや2つはさせていることでしょう。
それを判っている上司ならそして部下への感謝の気持ちをきちんと伝えられる。
こんな上司であれば、少々しんどくても部下は付いて行くでしょう。
接待の場合は、「今年はありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします」と、「今年も当社を支えて頂いてありがとうございました」という感謝の気持ちを述べます。
接待では、お疲れ様よりは「来年もよろしくお願いします」、ということが多いです。
忘年会では、普段はあまり話すことがない上司や会社の幹部職員とも話をすることができることがメリットです。
普段は話をしない人とも話ができて、その後はいろいろなことを相談するようになったということもあります。
ゆっくりと話し合う時間が取れないままで、お互いに誤解が生じていた。
このような少々ぎくしゃくしていたことが忘年会の際に良く話をしたら、きれいさっぱり解決されたということもあります。
また、取引先との連絡や相談や報告の大半がメールという時代になってきました。
メールではあなたがどういった人柄なのか、今一つ判りません。
絵文字を使って表情を伝えるということは、友達との間ではよくやることです。
しかし、ビジネスでは絵文字はほとんど使わないでしょう。
あなたがせっかく笑顔の素敵な人でもメールでは無機質な文字しか届けることができません。
しかし、忘年会で一緒に食事をして色々と話をすれば、あなたの良さをアピールすることが出来ます。
あなたがとても素敵な人だとわかれば、もっと良い仕事を貰えるかもしれません。
もっとやりがいのある新しい仕事を任せて貰える可能性もあるでしょう。
会って目と目を合わせて話をすることで、人との絆を高めることも目的の一つです。
間違っても愚痴を延々と述べたり、いくら無礼講だと言われても羽目を外し過ぎて「そんなことをしただなんて、全く覚えてないよ」などと言うことにならないよう、
忘年会は、ほどほどに楽しんでください。
忘年会の時期はいつ
1年間の嫌なことや苦労を忘れるための宴会です。
そのため、1年の終わりということで12月の末に行うのが一般的です。
しかし、忘年会を開く時期は、年々早まっているようです。中には11月の中頃にやってしまうという会社もあります。
その理由の一つは、良い店は年末になればなるほど混みあってくるということがあげられます。
混雑した店で店員さんが忙しそうに走り回っている時に利用するよりも、ゆっくりと落ち着いて食べることが出来るから11月のうちに済ませてしまうという会社も増えました。
そして、12月の末に忘年会を開くと宴会続きになるからというのも理由のひとつです。
12月25日がクリスマスなので、その頃にパーティーを開く人が多いでしょう。
そしてその数日後に今度は忘年会で飲み食いして、年が明けたらお正月に色々とご馳走を食べて、1週間ほどしたら今度は新年会となってしまいます。
12月の末から1月の中頃までは毎週のように宴会という感じです。
そこで最近は、12月ではなく11月の半ばごろに早めにやってしまおうという会社も増えてきました。
私の体験談でも会社の忘年会が11月の中頃、町内会と取引先が12月初めに2件続きました。
この次に、フィットネスクラブのが12月半ばにありました。さらに、家族とも食べに行く予定でそれが12月29日です。
最後は、高校時代の友達とは12月31日などというときもありました。
「あなたいったい、何回忘年会に参加するの」と言いたくなってしまいます。
これでは、嫌なことを忘れることはできても、健康を害してしまいそうです。
また、このうち1つや2つは本当はちょっと参加したくないこともあります。
「せっかく嫌なことを忘れても、またストレスのたまりそうな嫌な付き合いもあるんだよ」という考えの人もいるようです。
「12月31日に高校時代の友達と行くだなんて」「こっちは換気扇の汚れを必死になって落としたり、おせち料理を作ったりしてるのに」「いったい何を考えてるのよ!」などと奥様に文句を言われつつも毎年参加している人もいるようです。
参加費も無料ではないので、出費も負担になりお付き合いも楽ではありませんね。
いつ行うのが正解なのかと聞かれたら、やはり年末にやるのが正解でしょうか。
しかし今の時代、意義や目的よりも、美味しい物を食べて歌ったりたりできればOKと言う人も多いです。
このように、それほど年末には拘らないようです。
忘年会の店探しの方法
忘年会の幹事さんになると、まずやらなけれがならないのが、お店探しをして予約を取ることです。
会社によっては毎年ここと決まっている所もあります。
そのお店がつぶれない限りは、幹事さんも楽です。しかしこのような方法ではない会社は、お店探しをしなけれいけません。
どのように探せばよいでしょうか。今は、ネットで探すという方法もありますね。
どこの駅から半径500m以内で忘年会ができるところを探すのであれば、駅名と駅からの距離でピックアップしてくれるサイトもあります。
さらに、料理のジャンルで絞りこんだり、カラオケを置いている所で絞り込んだりします。
また、お座敷のある所を絞り込んだりもできます。
幹事になった場合は、前年度の幹事さんからも情報をゲットしておくとベターです。
もし、上司が甲殻類のアレルギーなのにカニ鍋などのメニューだと大変です。
こういった情報は、あらかじめ前任者から引き継いでおきましょう。
上司の食べ物の好き嫌いや食べ物のアレルギーの有無くらいは、知っておいて損はしません。
5~6年前に行ったあの店を上司がとても気に入っていたという場合は、再度そこを予約するというのも賢い方法です。
去年と同じでは何も考えていないと思われそうですが、5~6年前なら大丈夫でしょう。
前回とはまた違ったメニューにして貰ったり、席も雰囲気の違う場所にしてもらう。
このような一工夫は忘れないようにするとベターでしょう。
自分が会社の人以外の人と宴会で行って雰囲気も良くて店員さんの対応も良かったお店もおすすめです。
大人数の宴会もできるようなら、そこへ問い合わせてみるのもひとつの方法です。
お店の雰囲気やメニューだけではなく、場所も大切です。
職場から緊急呼び出しがかかる可能性もあるような職業の場合は、あまり職場から遠い所だと困ります。
かといって、食べている時にお店の窓から職場が見えるのは、嫌だと思います。
そういった点も配慮して探しましょう。リーズナブルでお店やスタッフの雰囲気も良いところを選ぶのが賢明です。
そのうえサービスも良くてお料理も美味しい所となると、なかなか難しいと思います。
それらを考慮してもなお、この1年間の嫌なことを忘れて、また来年も元気に仕事ができる。
忘年会では美味しい物を食べて楽しむという大きな利点がありますね。
結び
この習慣がアジア圏にしかないというのも意外だった方もおられたのではないでしょうか。
行なわれるようになった起源も江戸時代に庶民の間では既にあったようですね。
また、鎌倉時代にも年末になると、自分が作った和歌をみんなの前で歌うという年忘れの行事がありました。
そして現在の忘年会はというと、その多くが一年間の労をねぎらうことが目的で行われています。
お店探しも、幹事になった場合には、前年度の幹事さんからも情報をゲットしたりしましょう。
また、以前使って評判の良かったお店を5~6年ぶりに再度予約したりする方法もありましたね。
いつころからやり始めるのかの時期については、近頃は年々早まっている傾向にあります。
これにも理由があって、混雑してくる時期を避けてゆっくり落ち着いて行ないたいということもあります。
なお、12月は他の行事も多く年末に忘年会となると毎週のように何かの会が重なるのを避けるという理由もあります。
このように一言で忘年会といっても大変なこともたくさんあります。
ですが、やる限りには1年間の嫌なことを忘れて盛り上がることです。
また来年も元気に仕事ができるように美味しい物を食べて楽しむのがおすすめです。
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