火成岩の種類!火山岩と深成岩の特徴やでき方と堆積岩、変成岩との違い?

火成岩の種類ってあなたも学生時代にきっと習いましたよね。でも、中学生くらいのお子さんに火成岩のことを詳しく説明できますか?火成岩には実にたくさんの種類があるのでちょっと手こずるのではないでしょうか。

 

また、現在学生という方もこの複雑さに覚えるのに嫌気がさすかもしれませんね。そこで今日は、この火成岩の種類について分かりやすく解説していきます。また、その特徴でき方堆積岩との違いなども紹介していきますね。

火成岩の種類と特徴

火成岩は、地下を流れるマグマが地表や地下を流れ、固まってできた岩石のことです。なお、火成岩は火山岩深成岩という二つの種類に分けることができます。

 

成分は石英と長石や輝石に角閃石で、安山岩などの種類があります。従来は、この中間に位置する半深成岩という分類も存在しましたが現在は使用されなくなりました。

火山岩の種類

火山岩はキンバリー岩と玄武岩、それに安山岩やデイサイト、流紋岩と種類ごとに呼ばれています。例えば、超塩基性は深成岩だとかんらん岩ですが、火山岩だと同じ超塩基性でもキンバリー岩といわれます。

 

形状では溶や火山砕屑岩、それ以外だと岩脈と岩床やバソリスになります。

火山岩と深成岩の特徴

火山岩の特徴はマグマが急激に冷え、固まってできたものということです。もう一方の深成岩は、逆にゆっくりと冷えて固まった結果生じるものです。両者の違いはマグマの冷えるスピードで、場所や状況などの状況は無関係です。

火山岩と深成岩の分類

火山岩と深成岩の分類は純粋にどれくらいの早さで冷えて固まったかです。それが火山岩と深成岩の2つの種類を二分します。

 

一方では、二酸化ケイ素の含有量で分けられる分類も存在します。具体的な分類としては、超塩基性塩基性や中性に酸性岩が挙げられます。

 

マフィック鉱物のフェルシック鉱物の量比では、超苦鉄質や苦鉄質と中間質岩に珪長質岩といった分類に分けられます。色指数を用いるケースでは、超優黒質と優黒質、中色質に優白質岩に分類されるでしょう。

 

種類の分類では、境界が定義によって値が異なるのが共通の特徴点となります。火成岩の分類のうち、深成岩はかんらん岩と斑れい岩や緑岩に、花こう閃緑岩と花こう岩といった呼び分けがされます。これは純粋に成分による違いで、超塩基性岩や塩基性岩などとあてはまる関係性になっています。

火成岩の種類と特徴のまとめ

このように、分類方法には多様性があって、呼び方も特徴で違ってくるのがポイントです。火成岩と一口にいっても、実に奥深く繊細さがあります。

 

そこの理解を深めることで魅力を知ることができるでしょう。単純に知的好奇心を満たす目的でも違いを知ったり特徴を把握することに意味があります。

火山岩の種類と特徴

火山岩の種類を分けてみると、流紋岩(りゅうもんがん)や安山岩(あんざんがん)に分類できます。この章では、さらに細かく分けた流紋岩・安山岩・黒曜岩・塩基性岩の玄武岩の特徴を詳しく解説していきますね。

流紋岩(りゅうもんがん)の特徴

流紋岩は花崗岩に対応するもので、マグマが流動する際に形作られる斑晶の模様から名づけられています。火山岩は主に二酸化ケイ素の成分量で分類されます。

 

流紋岩(りゅうもんがん)はその割合が70%以上という特徴を持ちます。色は全体的に白っぽく、噴出の条件や結晶度などで様々な模様を形成します。流紋岩(りゅうもんがん)には黒も存在しますから、ただ色だけで判別するのは難しいですね。

 

斑晶や石基には、無色鉱物の石英と長石や、有色鉱物の黒雲母と角閃石などが含まれます。流紋岩とデイサイトの中間に位置する特徴を持つ火山岩のことを、流紋デイサイトと呼んだりもします。

 

過去には石英粗面岩の呼び方もありましたが、現在は流紋岩(りゅうもんがん)で統一されました。

安山岩(あんざんがん)の特徴

安山岩(あんざんがん)は二酸化ケイ素の割合が53%から62%と定められます。深成岩の閃緑岩とは対応する関係で、アンデス山中の粗面岩様の火山岩に対して、英名のandesiteとつけられました。

 

日本語名は英名が訳されたもので、明治時代には富士岩と訳され用いられています。その後は、アンデス山の石という意味で安山岩(あんざんがん)の名前が定着しました。

 

安山岩(あんざんがん)には、有色鉱物の角閃石と輝石や磁鉄鉱が含まれます。稀ですが黒雲母やかんらん石も入っています。無色鉱物の斜長石や、こちらも稀ですが石英が含まれることがあるのが特徴だといえます。

 

安山岩(あんざんがん)では更に、角閃石安山岩と輝石安山岩やかんらん石安山岩と呼ぶこともあります。

 

黒色で斑晶のない安山岩(あんざんがん)は、讃岐岩といわれる特殊なもので、瀬戸内海の沿岸で産出されます。無人岩も同様ですが、ガラス質で斜長石を含まず、小笠原諸島にて産出される特別なものです。

黒曜岩(こくようがん)の特徴

黒曜岩(こくようがん)はガラス質の特徴があり、表面に光沢感を持ち合わせています。ピッチストーンも同様ですが、光沢の質感が樹脂に近い点が大きくことなります。

 

パーライトは割れ目が多数存在する、こちらも特殊な流紋岩(りゅうもんがん)の1つです。

塩基性岩の玄武岩(げんぶがん)の特徴

火山岩の種類にはもう1つあって、それは玄武岩(げんぶがん)です。玄武岩(げんぶがん)は45%から52%の二酸化ケイ素を含んでいます。

 

また、肉眼で把握できるより小さい斑晶(はんしょう)を持ってることもあります。肉眼では黒っぽく見えることが多いですが、成分の違いで灰色に見える場合もあります。

 

含有される鉄分が酸化していれば、赤みがかって見えたり紫色になることも珍しくないです。有機鉱物の輝石とかんらん石、無色鉱物の斜長石を含むのが特徴です。アルカリ性だとケルスート閃石や金雲母が含まれたりもします。

 

玄武岩(げんぶがん)マグマの上部マントルは部分溶融度で分類が違います。溶解度が高いものはソレアイト玄武岩、低いものだとアルカリ玄武岩になります。

深成岩の種類と特徴

深成岩の種類は、閃緑岩(せんりょくがん)と斑糲岩(はんれいがん)や花崗岩(かこうがん)の3つに分かれます。

 

閃緑岩(せんりょくがん)は中性岩で、無色鉱物の斜長石と有色鉱物の輝石、角閃石を約3割ほど含みます。火山岩の安山岩に対するもので、花崗岩と斑れい岩の中間に位置する黒さが特徴的です。

閃緑岩(せんりょくがん)種類と特徴

石英が含まれる閃緑岩(せんりょくがん)は石英閃緑岩と呼ばれます。しかし、純粋かつ石英を含まないものはほとんど産出されないのが実際のところです。

 

一方の球状閃緑岩は、主成分に無色鉱物の斜長石を持ちます。有色鉱物の角閃石や黒雲母が交互に晶出(しょうしゅつ)する特徴があります。放射状か円状の構造を有していて、それが球状閃緑岩と呼ばれることになります。

 

球状閃緑岩は日本でも産出されますが、それはとても稀でレアなものです。かつて宮城県で算出された球状閃緑岩は菊面石と呼ばれ、大正時代に国の天然記念物に指定されました。

斑糲岩(はんれいがん)種類と特徴

斑糲岩(はんれいがん)は英語名でガブロといい、火山岩の玄武岩に対応しています。有色鉱物の角閃石と輝石や、無色鉱物の斜長石を含む特徴を持ちます。

 

全体的に黒っぽく、磁鉄鉱を含むこともあるのが特徴的だといえるでしょう。反対に石英やアルカリ長石はほぼ含まれませんから、こちらも他の深成岩との差になります。

閃緑岩(せんりょくがん)種類と特徴

閃緑岩(せんりょくがん)との違いは、斜長石の灰長石成分の割合で決まり、50%未満だとこちらに分類されます。アルカリ長石が含まれるものをモンゾ斑糲岩、石英が含まれれば石英斑糲岩と呼び名が変わります。

 

両方が含まれると石英モンゾ斑糲岩になりますから、こういう呼び方の違いも斑糲岩(はんれいがん)の面白い部分です。

 

漢字表記は難しいので、斑れい岩はんれい岩ハンレイ岩と表記されるケースが少なくないです。元はイタリアで工芸家が呼んでいた石材の名前に由来します。日本語名は玄米に由来があり、粒上の黒い斑点のある石という意味になります。

花崗岩(かこうがん)種類と特徴

花崗岩(かこうがん)は御影石の名前でも知られ、流紋岩に対する成分を持ち合わせます。石英と長石の主成分を持ち、10%程度の有色鉱物を有して白っぽく見えます。

 

また、ナトリウムとカリウムの含量が少ない非アルカリ岩質なら花崗岩(かこうがん)と呼ばれます。石英のうち、有色鉱物の割合が30%くらいだと、花崗岩(かこうがん)ではなく閃緑岩(せんりょくがん)に該当します。

 

両者の中間的な性質を持つものは、花崗閃緑岩という新しい呼び方になるのが特徴です。なお、アルカリ分が増えて石英が減り角閃石が増えると今度は閃長岩と呼ばれるようになります。

 

花崗岩(かこうがん)は割とありふれていて、大陸や島を構成する主要な岩石とされています。大陸を構成する地殻の全体に分布していますから、良くある岩石だということが分かります。しかし、地球以外の岩石天体ではほとんど存在しないので、その点もまた面白い魅力です。

火成岩のでき方は火山岩と深成岩で違う理由

火成岩のでき方には、環境の違いによって火山岩と深成岩との間に明確な差が存在しています。マグマが冷えてできる火成岩は、地表に近いところで生まれる火山岩と、地下深くで誕生する深成岩に分けられます。

 

火成岩と名前が似ているのでやや紛らわしいですが、火成岩は深成岩を含むマグマが由来の岩石の呼び名です。火山岩と深成岩の両者の間で見た目の違いはそれほどありません。

 

しかし、成分や組織構造を調べれば、どちらに分類されるかは一目瞭然ですね。分類はより細かく行うことができますが、3種類の大まかな違いの説明をします。

火山岩のでき方

火成岩のでき方に影響するのが大きな違いで、当然ながら地表に近い火山岩の方が早く冷えて固まります。急に冷えた結果、石英は結晶構造を持つことができず、小さな結晶やガラス質が集まる特徴を持ちます。

 

斑晶は比較的大きな結晶となりますから、これらの特徴が火山岩の見た目や性質を決定づけます。石英の固まりの中に小さな結晶が分布している構造で、斑状組織という構造を形作ります。

 

深成岩と同じくマグマが由来ですが、主に火口近くで急激に冷え、それが火山から噴出して生まれます。噴出岩と呼ばれることもあるほどなので、名前から地表に近いところで誕生するかが想像できるでしょう。

深成岩のでき方

深成岩は、地表よりも温度が高い地下の奥深くにおいて、ゆっくりと時間を掛けてマグマが固まったものです。等粒状組織と呼ばれるその構造は、大きくてばらつきが少ない結晶が多数集まってできています。

 

大きさに特徴が出る理由はゆっくりと冷えたことで、それが火山岩との決定的な差になります。名称は、地球の深部に深成岩が生まれやすい環境が多くあり、単純にそう名づけられました。火山岩よりも含有される鉱物の粒が大きく、低温で育つ石英や正長石が特徴に現れます。

マグマのある環境による違い

マグマが冷えて誕生するのは火成岩と深成岩の両方に共通点です。ですが、マグマのある環境によって冷え固まる速度に違いが生じ、そこができ方の差に繋がります。

 

厳密にいえば成分の差はあるものの、大きな2種類の分類はマグマの冷えるスピードと、それによって生まれる組成の違いだけです。イメージとして、火山岩は火口付近で早く冷えてその場に留まったり、噴火で地表に降り注ぐ感じです。

 

深成岩は地下深くにおいて、冷えて定着するイメージです。成分には共通するものも存在しますが、それぞれ異なる深さで生まれます。

 

そのため、比較的多く含まれる成分の傾向には違いがあります。こういった違いを含めて、両者のでき方には差が生じますし組成(そせい)は勿論、色や形も違ってくるわけです。

堆積岩(たいせきがん)と火成岩や変成岩の違い

堆積岩は名前のように降り積もった成分が固まって生じ、火成岩はマグマが固まってできたものです。変成岩は熱や圧力といった強い力を受ける特徴を持ち、それが他の岩石との違いになっています。

 

いずれも結晶が同じ方向を向いており、薄くて剥がれやすいという共通点を有しています。鉱物とガラス質が集まって生まれることは、3つの間で共通しているポイントです。

 

火成岩はマグマの組成に多様性があって、冷え方でも最終的に誕生する岩石が変わってきます。一部には例外があるものの、でき方という基本的な条件は明確に決まっています。そのため、違いを理解したり知識を覚えるのは比較的簡単です。

堆積岩(たいせきがん)の特徴

堆積岩は、異なる起源の粒子が集まったもので、サイズによって分類されるのが特徴です。また堆積岩には礫、砂、泥など一般的なものと生物を起源に持つ2種類が存在します。

 

それらが、海底や湖底の水底あるいは地表に堆積し、続成の影響により作れた岩石のことをいいます。

火成岩と堆積岩の違い

火山岩の特徴はマグマが急激に冷え 固まってできた岩石のことです。堆積岩は礫(つぶて)が主体の礫岩(れきがん)や、砂を中心とする砂岩にシルトでできているシルト岩があります。

 

シルトに粘土質が加わると、泥岩と呼ばれるようになり性質も違ってきます。生物起源の堆積岩は、石灰質の殻を持つ生物から生まれた石灰岩や、珪質(けいしつ)の殻を持つ微生物生まれのチャートに分けられます。

 

石灰岩はサンゴや有孔虫で、チャートは放散虫や珪藻(けいそう)が主な起源となっているわけです。

変成岩と堆積岩の違い

変成岩の材料は岩石で、既に存在しているものに変成を生じるからこのように呼ばれます。岩石に高い温度か圧力が加わると、変成作用が生じて性質が変わってきます。

 

変成岩における分類は、原岩の種類と温度や圧力などの条件で、基準に基づき振り分けられることになります。受けた熱に特徴を持つ場合は、熱変成や接触変成といわれます。

熱変成とは

熱や圧力を受ければ広域変成岩、断層活動で周囲の岩に変形を生じ、粉砕してできたものは動力変成岩といいます。マグマの熱を受けて生まれたものは、泥岩が熱によって緻密さ(ちみつさ)を増し、性質が変わってホルンフェルスという岩石に変わります。

 

石灰岩が再結晶化で粗粒になった岩石は、大理石の名前で広く知られている結晶質石灰岩です。地下深部で熱と圧力を受けた場合は、泥岩を中心とした岩石が剥離性を持ち、千枚岩と名前を変えます。

 

結晶片岩は縞状の組織を持つようになった岩石、片麻岩は縞状の組織を獲得した岩石です。蛇紋岩はかんらん岩が熱や圧力を受けた結果、緑色の見た目を持つ美しい石に変化したものです。

結び

火成岩の種類についての記事はお役に立てたでしょうか?また、火山岩と深成岩の特徴やでき方と堆積岩、変成岩との違いについてもご理解いただけたならうれしいです。

 

この章では、火成岩の種類の解説をまとめた要約を載せていきますね。火成岩とは、地下を流れるマグマが地表や地下を流れ、固まって生まれた岩石のことを指します。この成分は石英と長石や輝石に角閃石で、安山岩といった種類が存在します。

 

この火成岩を大きく二つの種類に分類することが可能になります。その二つが、火山岩と深成岩というわけです。火山岩は、キンバリー岩玄武岩、それに安山岩デイサイト流紋岩と種類ごとに言われています。

 

特徴はマグマが急激に冷え、固まってできたものだということです。深成岩のほうは、逆にじわじわと冷えて固まった結果もたらされるものです。

 

火山岩の種類は、流紋岩安山岩黒曜岩塩基性岩の玄武岩の4つが存在します。深成岩の種類は、閃緑岩と斑糲岩や花崗岩の3つに分類されます。

 

堆積岩の特徴とは、堆積岩は、異なる起源の粒子が集まったもので、サイズに応じて分類されるのが特徴です。また堆積岩には礫、砂、泥など一般的なものと生物を起源に持つ2種類が存在しています。

コメント

  1. detao6700 より:

    初めまして、よろしくお願いいたします。丁寧にわかりやすくまとめられていて、とても良いと思います。
    ただ気になったのが最初の方に出てくる二酸化ケイ素 SiO2 の画像です。
    3個が直線につながった形の結晶構造は間違っているので、入れ替えた方がよいと思います。

    ケイ素は4個の酸素と強力に結合して、SiO4 のケイ酸四面体を形成します。
    このケイ酸四面体がつながって各種のケイ酸塩鉱物を形成します。その最終的な進化形態が SiO2 というケイ酸四面体が立体的に結合した長石、そして石英なのです。
    立体的に結合しているので、4個の酸素をすべて共有した状態になっています。
    つまり、ケイ酸四面体SiO4の酸素4個が共有されているので化学式ではSiO2になるだけなのです。

    なので、ここではケイ酸四面体SiO4という基本構造をきちんと理解させる方が重要だと思いますが、いかがでしょうか。

    ケイ酸塩鉱物に関してはいつもこのサイトにお世話になっています。
    http://www.asahi-net.or.jp/~up5s-andu/SUISHO/03_kouzou.htm

    このページに結晶構造のより詳しい解説があります。
    以上、失礼いたしました。

  2. ないしょ より:

    最初の「火山岩と深成岩の分類」の火山岩と深成岩の画像が間違ってません?
    深成岩は深いところでゆっくり固まったので、結晶が大きい
    一方、火山岩は浅いところで急速に冷やされてできたので、結晶が小さい

    写真の深成岩は軽石に近いような。。。
    これは溶岩が噴出して水蒸気が急速に出て空いた穴がそのまま固まったものです。

    小学生の時「リカちゃん焦ってげろ吐いた」と覚えたのが懐かしい。

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